第95章 ピックアップお礼 ある1月の日 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
普段の旦那さんとは…
真逆の行為になる訳でしか無くて…
そう言うと
”俺はいつも紳士的にしてるだろう?”とか
そんな感じの事を言って来そうだから
そこは敢えて
みくりは口に出さない様にして
コミュニケーションとしての
行為を楽しむ程度にしなさいよって
感じの意味…なんだろうなぁ…っと
「みくり?どうかしたのか?」
「えっ、あ、ううんっ、どうもしないよ?」
私が考え事をしていて
何も話さずに静かにしていたから
杏寿郎にそう尋ねて来られてしまって
そのまま 今日の夕飯は何が食べたいかとか
そんな話をしながら駅までの道のりを歩く
今は…この冬の街並みの景色が
春になって そして夏になる頃には
お腹の中にいる赤ちゃんが
産まれて来るんだって想像してみても
まだ お腹のそんなに変わり映えしないし
そんな実感は全然わかないままだけど
今夜は…その…妊娠が分かってから
全く…してなかった訳だから
かなり…旦那さんとそうするのは…
久しぶり…になる訳で…
隣に居る旦那さんを妙に意識してしまってるのは
自分がそう思ってるんだから
隣に居る旦那さんも…それは感じてるんだろうけど
変にソワソワとしてしまって
良く良く知った相手なのに…
居心地の悪い様な…妙な
空気を作ってしまってたんだけど
「なぁ…、奥さん」
「何?」
「その…、今日の…夜の事…なんだがな…」
「う、うん…。夜の事がどうかしたの?」
妊娠してからも
ちゃんとして無くても
その紛い事の行為はずっとしてて
昨日だってそれをしたのに…
何に対して緊張してるのかと言いたくもなるが
「…なるべく…、早く…戻る様にする…」
「あ、う、うん。分かった…。
お夕飯…用意して、帰り…待ってる」
ぎゅっと繋いでいた杏寿郎の手を
みくりがその言葉と共に握りしめて
繋いでいた手をぎゅっと…
杏寿郎が握り返して来て
「ねぇ、杏寿郎…」
「ん?どうした?みくり」
「夜の事とはね、関係ない話なんだけどね?
今…、旦那さんと…結婚して良かったなって。
旦那さんの事、好きだなぁって思ってた所…」
「改まって、何かと思ったらそんな事か?
みくり。俺は、いつも、奥さんと
結婚して良かったと思ってるし、
奥さんの事好きだってずっと思ってるがな?」