第21章 惣菜屋さんと煉獄さん 後編 お相手:煉獄杏寿郎
途切れる事のない
押し寄せて来る快感の連続に
頼る場所がなくて
蔦を伸ばして彷徨う
朝顔の弦の様に
私は空に伸ばした 腕で
彼の肩に縋りつく
私は 貴方に絡みつく……
だって 私は 白い朝顔の花…
「あぁああんっ、
はぁ、んんっ…はぁああんんっ」
より大きな絶頂の波に
薄れて行く意識の中で
自分の中に吐き出される
彼の絶頂を感じた
知らなかった…わたし
愛されるってこんなにも
温かくて…心地良くて
満たされる物だったんだって…
そのまま 私は
眠ってしまって居た様で
目を覚ますと
真夜中だった
目の前には
夏の太陽の笑顔があって
「みくりさん、
貴方のお心は決まっただろうか?」
「そうは、言われますが…
私にはこの店を手放すなど…」
「そうか、貴方がそう言うのであれば。
俺がここに通えばいい。
それで解決すると言う物。
悩むまでの事、でもありませんでしたか」
「でも、杏寿郎さんは、それで…いいのですか?」
「本来であるなら、
俺の家へ貴方に入って頂きたいが。
俺だけが、貴方の惣菜を独り占めしては、
他の客に顔向けが出来ないと言う物…」
「きゅうりの煮物は、杏寿郎さんだけにしか
お出ししませんけど…も」
そう言ってみくりが笑った
そのみくりの笑顔を見て
杏寿郎も笑顔になる
「なら、それは俺の特権と言えると
…ああ、後、貴方を食べられるのも…?
俺だけだろうか?」
「バカな事を言わないで下さいまし」
そう言ってプイっと
杏寿郎からみくりが顔を反らせた
顔を反らせた先に
白いふわふわとした物が
幾つも 飛んでいるのが見えて
慌てて 杏寿郎の方を向くと
杏寿郎の周りに
そのふわふわとした
タンポポの綿毛の様な物が
無数に漂っているのが見えた
「あっ」
みくりが声を上げると
それは見えなくなってしまって