第94章 デートしようよ?村田さん 夜編 お相手:村田さん
そう言いながらも唇をしゃぶる様な
口付けをして来て チョンっと胸先に
その指が触れて来て そのまま口付けらながら
胸の先をくすぐる様にして弄られてしまって
彼の腕に中に抱き締められながら
与えられる刺激に素直になり過ぎていて
そのまままた…湯船の中で…
お互いを求めあって愛し合ってしまっていて。
一緒に布団で、ごろごろと
寝るのを惜しんで横になっていると。
「ねぇ、次はさ…、どこに行きたい?
行きたい場所とかさ、あったらさ。
考えて置いてよ?デートの行先」
「……次のデート…ですか?」
こんな仕事をしてるんだから
次に会うのは1月後とか…そんなのかも知れないのに
そんな事を村田がみくりに聞いて来て
にこっと笑顔になると
「楽しみだね、みくり。
そうだなぁ…、今は冬だけど…。
春になったら、お花見に行きたいよね?
ああ、そうだ…水仙の花でも観に行こうか…?
水仙が群生してる所があるんだよ…」
水仙は…12月から3月ぐらいまでが見頃だから
次に会うのが1月後でも観に行ける…
「水仙の香り…好きです…、私」
「そう、じゃあ、そうしようか?
水仙が無理だったら梅ね、梅が終わたら」
「その後は、桜になりますね…」
「別に花じゃなくてもいいし…、ほら、
夏になったら海でもいいし…でも…
その頃にはさ、俺としては…その…。
デートじゃなくて、旅行もいいかなって」
次に会う時のデートの相談をしていたのに
夏には旅行に行きたいと言って来て
「それこそ、箱根とか熱海とか…さ…」
そう旅行に誘っている割には
恥ずかしそうにしながら言って来るから
「あの…、村田さん…それって…」
「いや、だってさ…、
会う度にこんな感じだったらさ…。
その内に…そうなっちゃいそうじゃない?」
村田の言いたい事の意味を
みくりが理解をして
パクパクと口元を押えつつ驚いた顔をしていて
「あのっ、その…旅行って言うのは…そのっ」
「でも…、その前に…。
みくりのご両親に挨拶しに行かないとね?
俺の、両親の所…にも、さ、…来てくれる?」
こんな所に集まってるのだから
私も彼も両親も兄弟も…鬼に殺された
天涯孤独の身の上は同じだ…
それでも…、その筋を通してくれようとする
彼の言葉が嬉しくて…涙を流しながら
何度も頷くしかできなくて