第94章 デートしようよ?村田さん 夜編 お相手:村田さん
そんな風になってしまって居る私を
村田さんは黙って穏やかな顔をしながら
うんうんって頷いてくれて
背中をさすってくれて
ギュウウっと抱きしめてくれて
ありがとう…って何度も言ってくれて
そう言われる度にこっちからも
ありがとうって言いたいのに
涙が出て来るばっかりで言葉らしい言葉も紡げなくて
自分の口が役立たずだって思いながらに
言葉に出来ない分を伝える様にして
ギュウウっとその身体に抱き着いて
「村田…さ、ん、す、き…ッ」
もっと言いたい事とか伝えたい事が
自分の中には沢山あったのに…
それだけの言葉しか、満足に紡げなくて
どんどんその気持ちにもならない
言葉にもならない物が
自分の目から涙になって零れるのを
そっと指先で優しく拭われる度に
この人が…好きだなって思ってしまう…
「みくり…、俺も…好きだしさ。
ずっと、これからも…、一緒に居ない…?
俺とさ、その…恋人からさ夫婦に…なっちゃわない?」
と…そこまで…言って
彼の方も照れくさくなってしまった様で
「っと、今のっ、今のは…忘れてッ…。
俺、今は何も用意して来てないしッ、
みくり、今のッ無かった事にしてくれる?
次、次にしようよ。ちゃんと用意するからさッ」
「もう…聞いちゃいました…よ?今…。
私だって、村田さんと…これから先も、
ずっと一緒に居たいです、だから…。
私を、村田さんのお嫁さんにして下さい…」
「えぇ、いっ、いいの?
本当に?いいの?後でダメとか言わない?」
「言いませんよ、そんなの…後からダメなんて」
「やったぁ!俺、今、めっちゃ幸せかも…ッ」
そのままギュウウっと抱きしめられてしまって
お互いの唇を寄せ合って口付ける
「えっと…あのさ…、もう一回…
したい…かなぁ…っとかって言ったら怒る?」
「怒りませんよ、そんなの…」
デートしようよ?村田さん
その夜は…
今までよりも ずっと…
彼の事が大好きになった夜…でした
デートしようよ?村田さん
次のデート…はどこへ行こうか?
デートしようよ?村田さん 夜編
ー終ー
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こちらの方は、玲遠様に捧げます。
無駄にタフな村田さんをお納め下さい。