第93章 デートしようよ?村田さん お相手:村田さん 裏なし
そう言われてニコニコと
穏やかな笑顔の奥さんに離れの部屋に案内されて
温かいお茶を給仕して貰い
自慢の露天風呂でごゆっくりと言われてしまった
部屋の雪見障子を開くと
薄っすらと雪化粧をした
この離れ専用の小さな庭が見えて…
その小さな庭の隅の方に
こじんまりとした…二人で入るには
かなり身体を密着させないと入れない様な
可愛らしいサイズ感の陶器製のお風呂が見えていて
源泉がかけ流しなのんか
その陶器の湯船からは湯気が上がって居る
「さっきも温泉、入って来たばっかりだけど…」
「雪見風呂…ですね…、素敵…。
温泉で温まりながら、お庭の雪を眺めるなんて…。
これも…冬にしか出来ない…楽しみ方…ですよね?」
そう言って…手拭いで
身体を隠しながら一緒に温泉に浸かって
小さな庭の雪景色を眺める
「……ちょっと、贅沢過ぎるんじゃない?これ。
隣には…、大好きな子がいてさ、
一緒に温泉に浸かったりしちゃってだよ?」
「温泉で一緒にぬくぬくしながら、
雪景色が楽しめるなんて、贅沢ですよ…。
今日は…。本当に…、私の我がままに
付き合って貰っちゃって…ありがとうございました」
トンっと村田の身体にみくりが
自分の身体を預ける様にしてもたれ掛ると
スリッ…と自分の身体を村田の身体にすり寄せる
「あの~、村田さん…。
もう一つ…、私のお願いを…聞いて貰うとか…」
ツンツンと視線をお湯の中に落としたままで
みくりが村田の鎖骨のラインを
指先で突いてそれから指を鎖骨にそって
つつーーっと滑らせて行く
「……口付けたり…したい…気分だったり?」
「そうしたい…なぁ…とかって、ダメ…ですか?」
そんな顔をされて潤んだ瞳で
上目遣いで見つめられてそれを
しないって断れる男が居るんだったら
俺はその男を見て見たい…って思うけどなぁ
「だったら、俺も…君と同じ…だよ?
今さ、そうしたいなって、思ってたから…」
そう言って 彼の顔が近付いて来て
そのまま 瞼を閉じると
ちぅ…と唇に彼の唇が触れて来て
すっとすぐに離れてしまって
むぅっと不満そうにしながら
みくりが口を尖らせていて
「もう、終わり?」
「もっとしたかったの?だって…もっとしたら。
それだけじゃ、終われなくなっちゃうでしょ?」
「ええぇ~、村田さんのけちぃ~」