第93章 デートしようよ?村田さん お相手:村田さん 裏なし
下駄を履いて
着物の上に綿入り半纏を着て
スケートを楽しんでいる人も居て
子供を乗せてそりの様な形をした物で
スケートを楽しんでいる人の姿も見える
「どうしたの?滑るの飽きちゃった?
あっちで休憩する?温かいお汁粉とか
甘酒とか売ってたよ?」
冷えた身体を温める為に
ドラム缶の中で焚火が燃えて来て
棒に差した竹輪を焚火で焼いて
もぐもぐと食べている人の姿も見える
「もしかして…、みくり。
竹輪…食べたかったりするの?」
「お汁粉っ、お汁粉も美味しそうですね…」
私の視線が焚き火で竹輪を炙って
食べている人達に向いていたからなのか
ちょっと待っててと言って
棒付きの竹輪を売っている場所へ
村田が向かうと竹輪の刺さった棒を
2本持って戻って来て
「はい、お待たせ。これ、みくりの分ね」
「あっ、ありがとう…」
パチパチっと燃える焚火の火で
竹輪を肩を並べて炙る
自分が想像していたお洒落な
デートとはどうにも焚火で竹輪を
焼いてい居る絵面は重なりそうにない
「美味しそうだなぁ~、竹輪。
ほら、そろそろ、そっちもいいんじゃない?
いっただきまーす、はむっ…、うん、いける」
「いただき…ます…、んっ、竹輪、美味しいっ」
その炙って温かくなって
香ばしさが増した竹輪は絶品で
思わずお互いの顔が笑顔になって居て
お洒落なデートよりも…
こんなデートの方が…よっぽど…
私と村田さんぽいなって思ってしまう…
「んじゃあ、竹輪食べ終わったら。
もうひと滑りして、それが済んだら行こっか」
「え?ここだけじゃないんですか?」
「冬に湖に来てるんだよ?する事あるでしょ?」
冬の湖でする事…、スケート以外に…?
そう言って連れて来られたのば…
またしても湖だった訳なのだが…
既にそこにはワカサギ釣りを楽しんでいる人の
姿がちらりほらりと見えて
「ここは、釣ったワカサギを
天ぷらにしてくれて。道具も全部
貸出してくれるから、スケート帰りの
親子連れとかで週末はに賑やかになるらしいよ?」
「釣りたてのワカサギの天ぷらっ?」
今この凍った湖の下で泳いでる
ワカサギを釣り上げて
天ぷらにして貰える…だなんて…ッ
「やりたいかな?ワカサギ釣り」
「したいですっ、釣りますッ」
「ははは、美味しいもんね。ワカサギの天ぷら」