第93章 デートしようよ?村田さん お相手:村田さん 裏なし
「村田さんっ、大変ですッ!」
そう俺の可愛い彼女である
みくりが言って来て
「大変大変って、何が?みくり。
鬼でも出たとか?任務の呼びだしでもあったの?」
「今日は、私は非番なのです。
そして、村田さんも非番なのです」
そうそう そうね
だからこうして会いに来たんだけどさ
「うん、そうだね…、それがどうかしたの?」
「デートをっ、デートをしましょう?
いえ、むしろこれはデートするしかありませんっ」
待ち合わせ場所にしていた茶屋の
椅子からみくりが勢い良く立ち上がって
「だからっ、今それを一緒にどこに行くかって
相談してたんでしょ?とりあえず、座る」
村田にそう言われて
ストンと椅子にそのまま座り直した
「どうする?活動写真でも観に行く?
遊園地とか動物園とか…」
むぅっとみくりが
行先の案が気に入らないらしく
納得が出来ない顔をして頬を膨らませている
フグみたいな顔してるな…可愛いと
思いながら村田が自分の恋人の顔を見ていると
「冬らしいおデートがしたいです!」
「とりあえず、分かったからさ。
座ってくれる?うーん、冬らしいねぇ…。
ああ、そうだ、冬らしいデートが出来る場所あるよ?」
変な乗り物の乗って行くよりも
場所が郊外になるからと
鍛錬がてら走って行く事にして
デートするある場所へと向かった
しばらく走って辿り着いたのは
一面に氷が張った湖で
既に数人 スケートを楽しんでいる人が見えて
「アイススケートッ」
「そうそう、スケートね。
大阪の方には、北極館って
日本初の人工のスケート場があるらしいけどね。
この辺りの湖も、厚い氷が張るから…
冬だけの、楽しみでしょ?これも…」
受付でスケート用の靴を貸して貰って
自分の履いていた靴を
と言っても下駄の底にブレードが付いた
下駄スケートと言うやつに履き替えると
早速天然の氷の上でスケートを楽しむ
「こんな風なスケートの靴が出来る前は、
動物の骨を削って代用してたらしいよ?
元々はスケートは、物資の運搬の為の
輸送手段だったけど、それがいつの間にか
冬の娯楽になったみたいだけどッ…」
そう言いながらも時折バランスを
崩しそうになりなが村田が氷の上を滑っていて
「私の家も、寒い場所だったので…。
雪で遊んだり、スケートしたりしてました」