第91章 年末年始のお話 年末編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
そのままスマートフォンで
電子書籍の続きを読んでいると
それまで肩にもたれ掛っていた
みくりの重みが増して
ずしっと圧し掛かって来るから
俺がこたつを買うのを渋ってたのは
奥さんがこたつで寝オチするからなのだが
するとは思ってたがやっぱりかと思いつつ
その身体をソファに運んで横にさせると
中綿入りの毛布をしっかりと掛けて置いた
その上から昔バイクや自転車で
その辺を回って野宿するのに
使っていた寝袋を開いて布団にすると
その上から掛け布団の代りに掛ける
もう大きな寝袋を買ったから
これを使う事も無いしな
「…良く寝てる…な」
ツンツンとその眠って居る
奥さんの鼻の頭を突くと僅かに身じろいで
しばらくの間その寝顔を眺めていた
みくりは1時間半ほどして
むくりと起きて来て
「起きたか?奥さん」
「杏寿郎…、おはよう…」
「ああ、おはよう…、まだ寝ててもいいぞ?」
「こたつ入る~ぅ、杏寿郎と」
「俺もか?」
眠そうにしながら一緒にこたつに入ろうと
みくりが言って来て
「みかん、剥いてあげる…」
「いや、今は…食べたい訳じゃ…」
「みかん…一緒に食べるのッ」
まだ半分寝ぼけてるのか
食べたいと言った訳でも
剥いてくれと頼んだ訳でもないのに
何故かみかんを剥いてあげるから食べろと言われて
「杏寿郎…はさ、これ、取る人?」
そう言って筋の所を摘まんで
みくりがこっちに尋ねて来て
「いや、俺はそのままでいいが…」
「はい、あーん」
そう言って 3房分の塊を
口元に持って来られて
いやみかんは小さい小粒みかんだから
これぐらいが1口分なのかも知れないが
「私の剥いたみかんが食べられないの?」
「止めてくれ、宴会の上司みたいになってるぞ?
わかった、わかったから。食べればいいんだろう?」
そう言って あーんとした口に
みかんの房を放り込む
「みかん、美味しい?」
「ああ。俺も…奥さんに食べさせるか?」
「やん、1房ずつがいい」
同じ様に3房の塊を渡そうとしたら
そう断わられてしまって
小さい1房をみくりの口元に持って行くと
あーんと可愛らしい口を開けるから
その中にみかんを入れると
もぐもぐとそのみかんを食べて
ゴクン…と飲み込むと
「杏寿郎…、もう、いっこ…、頂戴…」