第91章 年末年始のお話 年末編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「鳥取が小豆雑煮なんだ…へぇ…。
今はぜんざいみたいに甘くするけど
元々は塩や醤油で甘さを控えめにしてたんだ。
ねぇ、杏寿郎。小豆あるよ?豆のやつ」
「それは明日、小豆雑煮作るって事か?」
ネットで小豆雑煮の画像を見るが
どう見ても俺にはぜんざいにしか見えないが
「うん、あ、もっと詳しいのあったよ。
鳥取の中でも沿岸部の地域、
それに石川や新潟、京都や兵庫でも
日本海側の地域で食べられてるみたい」
みくりが出汁の方と
普通のぜんざいみたいに甘い方と
両方を用意してくれると言うので
「関東は餅は角餅らしいな」
「でも、餅を焼くのは関東風でしょ?
関東は角餅でお餅を焼いて、それで
すまし汁のお雑煮。関西は丸餅で
お餅は茹でて、お味噌のお雑煮でしょ?」
みくりがこたつの上に
すき焼きの用意をしながら
関東風と関西風の雑煮の話をして来て
「これの雑煮の勢力図を見ると、
九州の辺りは、丸餅を焼くみたいだな」
「お餅…砂糖醤油がいい」
「俺はおろし餅が良いがな」
「小倉バター餅美味しそう…」
みくりが餅の食べ方を
調べながらそう言って来て
「なぁ、餅は食べれそうなのか?」
「ちっちゃくしたら食べれそう。
お餅食べれたら、点滴しなくて良いかも」
ぐつぐつとすき焼きの鍋が煮えて来て
いい香りが部屋に満ちて行く
「フライング餅したらどうだ?」
「今日、お餅の袋を開けるって事?」
「多分、ここに入れても美味いだろ?餅」
そう言って杏寿郎が
すき焼きの鍋を指差して来て
割り下の煮えるいい香りがしている
「君の好きな砂糖醤油だろ?ベースは」
確かにみりんあんまり入れないで
砂糖が多めの割り下だけど
「すき焼きにお餅…」
「どうせ、君は…これの残りで
雑炊するの好きだろう?
むしろ、すき焼きの翌日の朝の
雑炊が楽しみだったって言ってただろ?」
杏寿郎はすき焼きの締めは
うどん派だったから
その日はうどんを締めにして
終わった後に腐らせる程ある白菜を
多めに先に用意して置いて
後片付けをしながら
割り下を足して白菜を煮て置いて
次の日に雑炊にするのが
杏寿郎と一緒に生活する様になってから
お互いの食べたいを満たす方法だったんだけど
お昼ご飯は〆にすき焼きうどんにして
片付けを済ませて
こたつに並んで入って寛ぐ