第89章 今年のクリスマスは… 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「海側のデートスポットもいいけど、
この北側の異人館の辺りも、
落ち着いた雰囲気がいいよね?」
「この辺りは、昼間もいいが。
夜は夜で、また違った顔を見せるな。
しっとりとした、大人のデートスポットだろ?」
同じ様にクリスマスデートを
楽しんでいるカップルの年齢層も
10代のカップルはおらず
30代 40代ぐらいのカップルの姿を
見かける方が多いのはこの辺りの土地柄だろう
ギラギラとした派手はライトアップじゃないが
その控え目なライトアップもまた
この街並みのイメージとマッチしている
「見て見て、あの異人館の所
小さなサンタさんが沢山登ってる」
「ああ、そうだな。
今度、家も登らせてみるか?
売ってるだろ?光るサンタクロース」
「杏寿郎、あの家で、
イエナリエでもするつもり?」
この凝り性の旦那さんに
そんな事を許可したら
それこそ目立ちまくりなイエナリエを
完成させかねないもんなこの人…
「流石にあれは、電気代が凄いらしいぞ?
二田でも地域でイエナリエしてる所が
あるらしいが。そこの地域の人と
話をした事があるが。冬場の電気代が
馬鹿にならないって言ってたからな」
「有名なイエナリエの所あるよね?」
そう言いながらイエナリエの
画像を検索すると
表示されている画像を
杏寿郎が覗き込んで来て
「個人の家でここまでの
装飾が出来るものなんだな…」
「でも、色々と苦労も
電気代以外にもあるみたいだね。
近隣の渋滞とか、ゴミの問題とか。
電気代とかも上がるし、イエナリエも
減っちゃうのかな、やっぱり」
そんな事を言いながら
話をしている内に
辺りが薄暗いと言うか
イルミネーションがあるメインの通りから
外れて行く様な気がするのは気のせいかな?
石畳の坂になった小道を進むと
ひっそりと佇む 一軒の異人館に辿り着いた
異人館巡りの対象になってる異人館じゃないし
杏寿郎と前に訪れた時も
この異人館には来ていないから
一見すると 異人館ではあるが
看板らしい看板を掲げてないから
レストランだとは思わないかも知れない
「ねぇ、ここ…?入っても大丈夫?」
「ああ、時間か?
時間なら丁度いい位だがな」
お店の雰囲気にそう訊ねたのだが
旦那さんは予約の時間に
早すぎたのかと聞いたと思ったらしく