第89章 今年のクリスマスは… 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
スリッパに履き替えて
そのまま大理石の壁を横目にしつつ
更に廊下の奥にあるドアを目指す
「俺は君の好みは、ここだと思ったんだがな」
先に行って居た杏寿郎が
廊下の奥のドアノブに手を掛けると
ガチャと回してそのドアを開くと
みくりに中に入る様に促して来る
そのドアの向こうには
白を基調とした部屋のベットルームは
かなり広々としていて
アクセントカラーとして
ソファのクッションや
ベッドのカバーやクッションに
紫が指し色の様に配置されている
クッションも光沢のある
ダマスク柄の紫と言っても
繊細な濃淡のあるシルク製のカバーで
その落ち着いた色味は
部屋の雰囲気を更に格調高く見せてくれる
「まぁ、奥さんのその顔を見てれば。
わざわざ、ここだったかと答えを
君の口から聞くまでも無さそうだな」
「杏寿郎様ぁ~、
杏寿郎はエスパーか何か?エスパーじゃない?
旦那さん。このお部屋、ヤバすぎじゃない?
素敵過ぎない?オシャレ過ぎ…るしッ」
「誤解があるといけないが、前に
神南港市で泊ったホテルと同額か
それより、クリスマスだが安かったぞ?」
杏寿郎が紫のクッションが置かれている
ソファに腰を降ろすと
隣においでと促して来るから
ちょんとソファの隣に腰を降ろして
「お金の問題じゃなくって…ッ。
だって、このタイプの部屋って
この広さの白と紫のお部屋はさ、
ここ1つだけじゃなかった?」
ポンポンと頭を撫でられてしまって
しぃっと内緒とする様に
杏寿郎が立てた 人差し指を
ちょんとみくりの口の上に置いて来て
「奥さん、それを色々言うのは
野暮ってもんじゃないか?
男のそう言うのは、細かい部分まで気にせずに
苦労をどうこう褒めるんじゃなくて、
ご褒美に、換算してくれないか?みくり」
そう 杏寿郎に言われてしまって
多分私がさっき言った事で
このホテルの事を詳細に見てたって事は
杏寿郎にはバレてしまって居て
「ここ選んでくれたのも、
このホテルが7年連続で、日本一の
朝ご飯で有名だったからじゃない?」
「それは、9月の九州出張の時の話か?
いや、それは違うんだがな…。
俺は、言わなかったか?クリスマスを
自分で用意したかったんだって」
「………そこまで、言って貰ったら十分だよ?」
「そうか…、なら、奥さん。
ここにでも座らないか?」