第89章 今年のクリスマスは… 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
コースよりもビュッフェで
良かったのかも知れないな
「美味いか?みくり」
「うん、柚子のシャーベットも美味しいし。
スモークサーモンのマリネも美味しいよ。
後はね、イチゴと、ミニトマト」
この所 調子も悪そうにしていたし
気分も不安定な感じだったから
こうして外に出るのが気分転換に
なってくれたんだったら
一緒に来て良かったな
嬉しそうに物を食べている
奥さんの姿を見ると
こっちも気分が良いからな
「杏寿郎…食べないの?」
「あ、ああ、そうだな。
あっちで天ぷらと、寿司でも取って来る」
自分が食べたい物を取って戻ると
窓から見える景色をみくりが
楽しんでいた様子で
クリスマスプランだからか
会場ではクリスマスソングが
ピアノとバイオリンで生演奏されている
「お家でクリスマスもいいけど、
クリスマスクルーズもいいね」
「ナイトクルーズの方が良かったか?」
そう言いながらも 杏寿郎は
どこか嬉しそうな顔をしてたから
泊る場所もそうだけど
この旦那さんの事だから
クリスマスのプランがきちんと
既に算段が付いてるんだろうけど…ね
「でも、夜は夜で、何か
用意してくれてるんでしょ?」
「だから、言っただろう?
去年は貰い物のクリスマスだったからな」
自分が用意した物じゃないから
喜んで貰っても仕方ないと言いたげに
杏寿郎が言って来て
この旦那さんらしいと言えばらしいんだけど
「まぁ、このランチクルーズも
木崎先輩さんからの貰い物だもんね。
また、何かお礼しないとね?
こんな素敵なプレゼント貰っちゃったんだしさ」
ノンアルコールのシャンパンのグラスを
傾けながら みくりが杏寿郎に言って来て
「それより…その、ニットのワンピースは
俺は、着てる所を見た事ないんだがな?」
「これは、まだ妊娠が分かる前に
クリスマスに着ようと思って買ってたの。
前は下着だったけどさ。杏寿郎何かの時に
ニットワンピ着て欲しいとか言って無かった?
やっぱり、変だった?おかしい?」
妊娠してる妊婦がする恰好じゃない?と
本人は言いたいのだろうが
問題なのはそこではない気がするのは
俺の気のせいでもないんだろうが
「もう一枚…買ったんだけどね?実は」
赤のニットワンピースを
もう一枚買ったんだと話して来て
「もう一枚あるのか?」