第89章 今年のクリスマスは… 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
今まで出来なかったのは
奥さんの方がまだ子供は…と
子作りに積極的じゃなかったからだとは
言ってしまっていいものなのかと
杏寿郎が考えていると
「煉獄、これ。お前にやるよ」
まるで去年のクリスマスの様に
封筒を木崎が杏寿郎に差し出して来て
杏寿郎がそれを受け取る
「先輩…これ…は?」
「ああ、これ?これは
俺の仕事がな、こっち絡みであって。
それの優待券みたいなので貰ったんだわ」
ディナーじゃなくて悪いなと
そう木崎が言って来て
受け取った封筒の中身を確認すると
神南港の港から
クインテットと同じ様に出航している
港巡りをしながらランチやティー
ディナークルーズをしている客船の
クリスマスのランチクルーズのチケットで
俺とみくりが船上ウエディングの
プランの撮影をしたクインテットよりは
乗船できる人数が少ない小型の客船になる
「先輩は…良かったんですか?」
「まぁな、俺は、明日から
年末は有給取って、彼女と一緒に
南の方へちょっくら行く予定なんだわ。
仕事も大事だけどな、遊ぶのも
大事だなって思ったんだ…あの時にさ」
「沖縄ですか?それとも海外?」
「流石に沖縄だけどな、
そんな訳だから。これは俺からの
クリスマスプレゼントと言うか、
おめでたのお祝いでもいいし。
遠慮しなくて良いから行って来いよ、奥さんと」
杏寿郎がその封筒を掲げて
木崎の方へ見せて来て
「だったら、先輩…、遠慮なく
妻と一緒に楽しませて貰います」
「おうよ、そうしてくれ。
じゃあ、俺は仕事に戻るわ」
そう言って木崎が
自分のデスクへと戻って行って
「煉獄さん、ちょっといいですか?」
しのぶが杏寿郎に声を掛けて来て
「ああ、何だ?胡蝶」
「中条の子育て支援事業のPRの
お仕事と、平行して進めて欲しいという
別件の依頼がありまして、その依頼は
こっちのチームが適任なのかなと」
胡蝶はチームの一員として
仕事をする傍らで部署内のチームに
どの仕事を振るかを仕訳ける仕事もしていて
俺の預かっているチームで
中条の方のプランは
みくりの妊婦らしさ…が出てからの
PR動画の撮影になるので
別件の仕事の依頼をうちのチームで
受けて欲しいと言って来て
「胡蝶がそう判断したなら、
それがいいだろうな。その話、受けよう」
「では詳細を……」