第88章 今年のクリスマスは… 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「プレゼントなら、今年はもう君から
俺が欲しいプレゼントを受け取ったからな。
まぁ、受けとりは来年の8月になるか…」
杏寿郎が後ろから
ぎゅっと包み込む様にして抱きしめて来て
その手を下腹部に当てて
お腹の中に居る 赤ちゃんを
お腹の上から抱きしめているかの様で
しばらくそのまま
杏寿郎の身体に自分の身体を預けて
幸せな感覚に浸っていると
ピンポーンっとまた玄関のインターフォンが鳴って
今度は別の運送会社が
私宛の荷物を届けて来て
「片山の家からか?」
「ううん、お母さんからみたい」
荷物を送ったとかってLINE来てないんだけどな
その段ボール箱を開けて
中身を確認すると
段ボールの中は仕送りと言うよりは
プレゼントみたいなクッション材が入っていて
その中にはクリスマスカードがあったから
お母さんからのクリスマスプレゼントの様だけど
「クリスマスプレゼント…みたいだけど」
「何が入ってたんだ?」
「ゆったりした、温かそうな腹巻とね。
ボディオイル…ってこれ、
ストレッチマーク予防のオーガニックオイルだ。
これ、杏寿郎が買ってくれたたまひよに
載ってた、ちょっとお高いヤツだよ」
ストレッチマークと言うのは
妊娠線の事らしい
「もう、実家のお母さんに報告したのか?」
ううんとしてないとみくりが
不思議そうにしながら首を左右に振りながら
同封されていたクリスマスカードを開いた
立体のポップアップになっていて
冬の街並みとクリスマスツリーに
空を飛ぶサンタのそりが飛び上がって来る
下の方のスペースに手書きにメッセージが
添えてあって そのメッセージに目を通す
年末年始に弟がこっちに帰って来るから
来れそうなら杏寿郎と一緒に
顔を見に来て欲しいと言う内容と
私の妊娠の事は瑠火さんから聞いたと書いてあって
じっと杏寿郎の方を疑わしい目で見てみたが
俺は何も言ってないと顔と手を振って
否定して来るから
益々意味が分からないんだけど
私も杏寿郎も妊娠の報告をしてないのに
うちの親も杏寿郎のご両親も
私の妊娠を知っている様で
はぁ…と杏寿郎がため息を付いて
「この前、嵐山に行っただろう?
多分、あっちの家に泊まるのを断わったからかもな」
「食べる量も、普段より。
控え目になってたから、
もしかしたら、それでかも?」