第88章 今年のクリスマスは… 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「高い場所は、俺がオーナメントを付けるから
下の方の、丁度いい所の飾りつけしてくれるか?」
同梱されていたオーナメントを
一緒に飾り付けをしようと
杏寿郎がみくりに声を掛けて来て
「あ、ちょっと待って杏寿郎。
”アレクサ、クリスマスソングメドレー流して”」
スマートスピーカーがYouTubeで
検索して来たクリスマスソングの
オルゴールメドレーを再生してくれて
「ああ、そうだ、君のあの
ペレットストーブに火を入れるか?」
杏寿郎がペレットストーブに火を付けてくれて
部屋の中に温かさが
優しく広がって行くのを感じる
「こうすると、一気にクリスマスぽくなるな」
BGMにはオルゴールのクリスマスソング
自分達の背の高さより大きなクリスマスツリー
ゆらゆらと揺らぐ ペレットストーブの炎
みくりがツリーにセットになっていた
オーナメントの中から
プレゼントの形をした飾りを手に取って
「杏寿郎はさ、小さい時にさ。
これの中身、知りたくて包み開けたりした?」
「白い発泡スチロールが入ってるだけだがな」
「子供がさ、これの中身を
知りたがる位になったらさ?
小さい箱にお菓子とかをね、
入れてね、綺麗に包み直して
ツリーに飾りたいなぁって。
杏寿郎はアドベントカレンダーって知ってる?」
アドベントカレンダーと言うのは
12月の1日から24日までの間に
1日づつ指定された窓を開いて
その中にちょっとしたお菓子やオモチャ
クリスマスのオーナメントが入ってる物だ
「それみたいにね、小さなプレゼントをね
毎日、1つ、クリスマスまでにね。
開ける楽しみとかがね、できたらいいなって」
「だったら、俺は奥さんに
その大きさの箱に入る小さなプレゼントを
子供の手の届かない場所に用意しておくか」
「ねぇ、旦那さん…」
自分の隣に居る杏寿郎に
みくりが自分の腕を絡めて手を繋ぐと
今は発泡スチロールが入ってる
その小さなプレゼントを杏寿郎の方に
見せる様にして持ち上げると
「ん?何だ?奥さん」
「それって、これ位の大きさのプレゼントを
毎年、私に送ってくれるって事?」
「ああ、どうせプレゼントは贈るからな毎年」
「そう言えばさ、プレゼントの話なんだけど。
赤ちゃん…が欲しいなって言ってたからさ。
大したもの用意して無いよ?今年」