第88章 今年のクリスマスは… 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「組み立てるか?クリスマスツリー
このまま、飾りつけするだろう?」
「うんうん。するする。したいしたいッ」
悪阻で気分が悪そうな日が多かったし
ちょっとこれで気分が晴れてくれるなら
それなりのお値段はしたが
これから先 何年も使えるものだし
高い買い物とも思わないがな
杏寿郎がクリスマスツリーを
リビングで組み立ててくれているのを
コーヒーを淹れながら待っていて
それをしながら 自分には
柚子茶を淹れると
それをちびりちびり飲みながら
杏寿郎がツリーを組み立ててくれるのを見ていた
キッチンのシンクのある方側にも
料理の合間に立ってるのがしんどくなった時に
こっち側にカウンターキッチンの向こうから
休むのに回って来なくていい様に
来客用のダイニングチェアを1脚
杏寿郎がこっち側にも置いてくれた物だ
「その、そっち側に置いた椅子も
ちゃんと活用してくれてる様だな」
「でも、お客さん様の椅子だよ?」
ツリーを組み立てながら
みくりがその椅子に座っているのを見て
杏寿郎が声を掛けて来て
「でも、君が調理中に気分が悪くなって
こっち側まで回って来る時間が
勿体ないからな。それに椅子は
座る為にあるんだぞ?間違った使い方
してる訳じゃないんだ。合ってるだろう?」
カウンターキッチン越しに
大きなツリーが組み上がって行くのを
ぼんやりとしながら眺めていて
普通のツリーじゃなくて
リアルタイプの北欧風の
枝がスカスカじゃなくて
びっしりと枝ぶりのいいツリーで
その葉の部分には雪化粧の加工がしてあるから
組み上がったヌードツリーだけでも
リアルなモミの木の様な雰囲気がある
「どうだ?みくり。
このリビングのサイズ感にピッタリな、
丁度いい感じの大きさじゃないか?」
大きさはかなり大きい大型のツリーで
キッチンからリビングへ移動して
自分の背の高さと比べて見て
そのツリーの高さを見上げると
「これっ、杏寿郎より大分大きいよ?
って事は180じゃないよね?
このサイズ感だったら、2メートルあるよね?」
腕組みをしながら杏寿郎が
組み立て終わったツリーを見上げると
「ああ。どうせ買うんだったら
大きなのがいいと思ったからな。
210センチあるぞ?それに
最初から枝に松ぼっくりがついてる」
「あ、本当だ。松ぼっくりついてるね」