第21章 惣菜屋さんと煉獄さん 後編 お相手:煉獄杏寿郎
そう言って押し入れから
来客用の布団を引っ張り出して
畳の上に広げて敷いた
その つまり
今から
ここで彼に抱かれる… 抱かれっ
ここに来て 思い出した事がある
私の様子がおかしい事に気が付いたのか
杏寿郎さんが声を掛けて来た
「どうか…なさいましたか?」
「そのっ、杏寿郎さん。
お恥ずかしい話なのですが。私っ……
その4年以上、その5年近くその
……その様な事をしておりませんでして。
すみませんっ、その…
言いにくくありますのですが…」
「でしたら、こちらが
心得ておけばいいだけの事。
やはり、貴方は身持ちが堅くてあられる。
添い遂げる相手として選ぶのであれば、
その様な女性の方が望ましいと言う物。
俺は…家を空ける事が多い身ですので、
こちらとしても好都合だが…?」
肩に力が入っていたのか
両肩に手を添えられて
その力をほぐすように
肩を撫でおろされる
「でも、
痛がってしまうかも…知れませんし」
「しかし、痛いのであれば
そう言って貰わねば。
我慢を強いる事になってしまうが…」
「でも、その……
痛いと言われると興が醒めると…」
「なら、貴方は痛いと感じてても
そうは言わない事になるが…。
違いますでしょうか?」
正直な話 夫とのその行為は
苦痛でしかなかった
実際に苦痛もあったのだが
最初の数回こそは 私が痛がるのを
夫も黙認していた様だったが
何度身体を重ねても
その行為その物で 快感など
得られる事も無くて…
痛みがあると言うと
夫は酷く気分を害してしまうので
これも妻の務めなのだと
そう言うのを我慢していたが
それでも我慢をする事にばかり
私が気を取られていたら
声の一つも出せない女が相手だと
勃つものも勃たないと
やはり 気分を害してしまって
そのまま床を出て
違う奉公人の女の部屋へ
行ったまま戻らない事も多かった
「そうする前に、確認をして
置きたいのだが。何が、貴方の顔を
そこまで曇らせているのか。
俺にお教え願いたいのですが?
みくりさん」
横になるといいと言われて
布団に横にさせられると
そのまま杏寿郎さんも
私の隣に横になった