第87章 世界で一番僕の姉さん お相手:若干逆ハー気味 現パロ
下着が数組 無くなってしまって
その下着を買いに来ていたはずなのに
お目当ての下着の専門店に行く前に
あれこれと見たいお店を見てしまって居て
『みくり姉さん、結構買ってるけど、
大丈夫?下着買いに来てるのに、
お金足りなくて買えないとか…やめてよ?』
「だって、欲しい物見つけたら
ついつい、買っちゃうんだも~ん。
あ、あれ、あれ見て?あのお店可愛い」
そう言いながら別の店に
みくりがふらふらと吸い込まれて行くと
何かをレジに持って行って
会計をして戻って来ていて
「次は、むいくんが行きたいって
話してた、本屋に行こうよ。私も
本屋で見たい物あるし…行こう行こう」
クリスマスのカラーに染まった
ショッピングモールですれ違う人の中には
大きなラッピングされたオモチャを抱えた
幸せそうな家族連れの姿を見かけるし
ブランド物を扱う店からは小さな紙袋を
持ったカップルが身体を寄せ合いながら出て来て
毎年…一緒にクリスマスを過ごして来たけど
今年のクリスマスは一緒でも
来年のクリスマスは別の誰かと
みくり姉さんは一緒に過ごすのかなとか
そんな風に本人が思ってる相手が居なくても
周囲の方が 僕の姉さんを
放っておいてはくれそうにも無くて
当の 姉さん本人には全く何の
自覚の一つも無いんだから
姉さんに気のある連中が…どうにも
僕の周りには多すぎる気がして仕方ない
「むいくん、どうしたの?
さっきから、ここ、皺寄ってるよ?」
眉間にしわが寄っていると
みくりが無一郎の眉の間を
ツンツンと突いて知らせていて
『別に…何でもないよ…姉さん』
姉さんが 誰を選ぶのか…なんて
そんな事は僕にも 分からない事だけど
自分のお目当ての商品を見るのに
また 知らない内に みくりは
ふらふらと別の店に吸い込まれて行って
気になる物を見つけては
こっちを呼んで知らせて来るから
コロナの事もあったし
この頃は出掛ける事もめっきり減って居たし
嬉しくて嬉しくて仕方ないんだろうけど
「セリアあるよ?セリアで
クリスマスパーティーの飾り、買って帰ろっか」
『みくり姉さん、買いすぎ……。
そんなに沢山買ったら、
荷物…持つのもこっちはこっちで大変なんだよ?』
でも 今日は来て良かったなって思ってる…