第87章 世界で一番僕の姉さん お相手:若干逆ハー気味 現パロ
お風呂から出て来た無一郎が
自分の濡れた髪をタオルで擦りながら
部屋の中に入って来ると
『って、姉さん…何やってんの?』
「ねぇねぇ、むいくん、これとこっちだったら
明日着て行くのどっちがいい?こっち?」
3枚のニットのトップスをみくりが
ずらして自分の身体に当てながら
無一郎に対して意見を尋ねて来て
「うーん、みくり姉さんは
何を着ても可愛いけど、その中ならそっちかな?」
「こっち?」
無一郎が指さした物を残して
他の2つをベッドの上に置くと
更に別のを2枚追加して
みくりが無一郎に意見を求めて来て
「ねぇねぇ、だったらさ。
こっちは?こっちとこっちとだったら?」
『もう…、姉さんそれ、持ってる服で
全部するつもり?ちょっと待ってて。
僕が、明日の姉さんの服…見立ててあげるから』
ね?と言って無一郎が笑って
みくりに鏡に背中を向けて立つ様に
無一郎が促して来て その指示に従うと
無一郎が ベッドの上に広がっている
みくりの服をこっちの身体に当てながら
トップスとボトムを入れ替えて
服の組み合わせを考えて居る様だった
『姉さん、明日は、僕の選んだ
さっきのコーデで、デートしてくれる?』
服を選び終わった後に
そうこっちに確認を無一郎が取って来て
「勿論だよ、むいくんが、
私の為に選んでくれたんだもん」
『楽しみだね…明日』
「あ、ごめんね。寒くなってるのに
私の服選ばせちゃって。
髪冷えちゃったでしょ?
私が引き留めた所為なんだしね。
お礼とお詫びに…だけど
頭、久しぶりにお姉ちゃんが乾かしたげるね」
ブォオオオーーォオンンッ
椅子に無一郎を座らせて
サラサラの感触を確かめなが
ドライヤー無一郎の髪に掛けて行く
次の日はバスに乗って
少し離れた場所にある
ショッピングモールへと向かった
昨日 無一郎に選んで貰った服は
姉弟でリンクコーデになっていて
私と無一郎は顔もそっくりだから
すれ違う人がこちらを見ては
ひそひそとこちらを見ては
小声で話をしている
『週末だから、結構人…多いね…。
はぐれちゃったら…ダメだから…、ね?』
「う…ん。そうだね…」
そう言って無一郎が差し出して来た手を
みくりが軽く握って 手を繋いで
賑やかなショッピングモールを歩く