第87章 世界で一番僕の姉さん お相手:若干逆ハー気味 現パロ
『いや、良いんだ。
君自体には、大事が無くて何よりだ。
弟さんが、撮影してた画像から
本当の下着泥棒の方も、
近い内に検挙出来るだろうしな。
それとも、君の方から、どうしても
俺に謝罪をしたくないらしい弟さんの代りに
何か、謝罪でもして貰えるんだろうか?』
『じゃあ、俺と煉獄と一緒に
デート1回とかどうよ?』
壁に持たれかかりながら
何故か宇髄がしゃしゃり出てそう言うと
ギロリと睨むような視線を
杏寿郎が腕組みをしながら
宇髄の方へ向けて来て
『宇髄…は、何もしてないだろう?』
『ははは~、バレた?』
『デートはダメ。週末は、
みくり姉さんは僕とデートだから』
スッと椅子から無一郎が立ち上がると
みくりの手を引いて入口に向かうと
「煉獄さん、勘違いして殴ってしまって、
すいませんでした。僕と姉さんは
このまま、帰りますので」
そう 取って付けた様な
形だけの謝罪を無一郎がすると
「僕が…謝罪したんだから。
さっきの話、無効でしょ?それじゃあ」
そのまま 2人を見下ろす様にして
冷ややかな視線を向けて
みくりの手を引いたままで
その部屋を後にして外に出る
「むいくん?ねぇ、むいくん?」
ギュウウっと掴まれた腕を
掴む手に力が入っていて
「そんなに、手、引っ張ったら痛いよ?」
「ねぇ、姉さん…。怒ってる?」
「それは、煉獄さんの事…を
間違えて勘違いして、殴っちゃったこと?
勘違いだとは言え、人に手、上げちゃダメでしょ?
昔から、むいくんはカッとなっちゃうと。
手…加減できなくなっちゃう時あるでしょ?
だからね、お姉ちゃんは。
むいくんが、心配なんだよ?」
ムッと無一郎が みくりの言葉に
その端正な顔を歪ませる
「僕だって、心配なんだよ。姉さんの事。
有一郎が側に居れない分も…、僕が
みくり姉さんを護らなくちゃって」
「むいくんも、ゆうくんも、
お姉ちゃんの自慢の弟だよ?
勿論、世界で一番の大事な弟達」
みくりが無一郎に
自分の手を差し伸べると
「……?姉さん…?」
「さぁ、帰ろう?むいくん。
私達のお家。遅くなっちゃったけど、
鮭のクリームシチューにしよ?」
ぎゅっとみくりの手を
無一郎が握って来て
そのまま 警察署から家まで
手を繋いで歩いた