第86章 巣ごもりのその後 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
そうしみじみと噛みしめる様にして
杏寿郎が言って居たので
「そうだね、頼りにしてるよ?お父さん」
「みくり。ありがとう」
「え?何?何に対するお礼?」
「俺を父親にしてくれたのは、君だろう?」
みくりが後頭部を杏寿郎の胸に預けて
そのまま顔を上げて杏寿郎の顔を見て来て
「だったら、私も杏寿郎に。
ママにしてくれてありがとうの、
お礼を言わなくちゃだね?」
「ん?ちょっと待て、君はママなのに
俺はお父さんなのか?バランス悪く無いか?」
「いいじゃん別に、どっちでも~」
「みくり…、楽しみだな…
で、何時なんだ?生まれるのは」
「えっとねぇ、来年の8月かな?」
「ん?10月10日じゃないのか?」
出産予定日を聞かれたので
アプリで最終月経の開始日を入れると
出産予定日を計算してくれるから
その結果を杏寿郎に伝えると
自分が想像するよりも早かったようで
杏寿郎が驚いた様子でそう返して来て
「良くそれ、言うけど違うんだってば。
妊娠の週数は前回の月経開始日から
換算されるの。だから、こうして
最速で検査して妊娠が分かっても。
妊娠2ヶ月なんだってば、分かった時にはね」
「お互いの両親への報告はいつにするんだ?
俺の所も君の所も、結婚してそれなりになるし。
孫はまだかと催促されかねんぞ?」
「でも、初期の頃は不安定な時期だから
ある程度してからの方が良いのかなって。
安定期に入ってからの方が良いかもけど。
今は、心拍が確認出来てからとかの
ケースも多いみたいだけどね」
案外 短いよね?と
みくりがしみじみとしながら
自分のお腹を擦りながら言って来て
その今まで見た事の無い様な
みくりのその表情に
思わずどきっとして胸が跳ねてしまったが
女性は妊娠が発覚した時点で
女性から母親に変化して行くと言うのは
強ち嘘でもないんだなっと
そのお腹をなでなでと撫でている
その顔を見ていると感じずには居られないな
「何だ?みくり。
まだ、始まったばっかりなんだぞ?
それに、今だけしか子供と
一緒に居られない訳じゃないだろう?
産まれて来てからだって、
ずっとこの先一緒なんだからな」
「ねぇ、杏寿郎…」
もたもたと杏寿郎の身体に
自分の背中を預けてもたれ掛ると
「何だ?みくり」