第86章 巣ごもりのその後 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「あのね…」
みくりが
杏寿郎の耳に自分の手を当てて
小さな声で囁き掛けて来るので
その声を聞き取ろうとして身を屈めると
ちぅ…っと 頬にみくりから
キスをされてしまった
「何だ?キスしたい気分だったのか?
俺の可愛い、奥さんは。だったら
言ってくれればいいだろう?」
「んー?キスしたかったのは、
キスしたかったんだけどね?
今、幸せだなぁって…感じてた所だよって。
杏寿郎にそれを、言いたかっただけだよ」
みくりがそう言うと
へへへへ~っと笑て来て
杏寿郎の方もそれにつられる様にして
ふっと自分の口の端を曲げると
「そう言われてしまうと、俺も。
もう、どうしようもないな。狡いぞ?奥さん。
俺だって、今、そう感じてるんだからな」
小さな幸せ…が
そこのあるのだとそう思うだけで
こうも 自分の胸の中が
温かく穏やかな気分になる物なんだな
「杏寿郎…、どうしたの?」
「いや、今はまだ…小さいが…。
この俺達の元に来てくれた
小さな幸せの種を…、俺達の手で
育てて行けるんだなと思うとな…」
「小さな幸せなんかじゃないよ、杏寿郎。
だって、まだこんなに小さいのに。
もう、それだけでこんなにも沢山の
幸せな気持ちを貰っちゃってるもん」
ギュウウっと後ろから
杏寿郎に抱きしめられてしまって
「みくり…」
「ん?どうしたの?杏寿郎…」
「幸せ…だな」
「うん、幸せだね…。杏寿郎」
「みくり…、ずっとこれから先も。
俺と一緒に、夫婦、続けて行ってくれるか?」
「はははっ、それ、プロポーズみたい」
「笑わなくてもいいだろう?
俺は真剣に言ってるんだぞ?
君の口から、聞きたいんだ…君の言葉で」
杏寿郎のその言葉に
彼の言葉の意味する事が分かって
「勿論だよ、杏寿郎…
これからも、末永くよろしくお願いします」
巣ごもりのその後…
私達夫婦は 夫婦から家族になりました
来年の8月には2人から3人になるけど…
前に杏寿郎に赤ちゃんを
急かしちゃダメだよって言っちゃったけど
私も… 今から
8月が待ち遠しいな…って感じちゃってるから
ママは今から
貴方に会える日が楽しみです
巣ごもりのその後
ー 終 ー