第86章 巣ごもりのその後 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「美味いか?みくり」
「普通、水と、冷たいご飯の味。
でもね、例の200gのハンバーグのね
友達が言うにはね?つわりがある方が、
流産しにくいんだってさ」
みくりが言うには
NICU勤務の看護師の友人によると
アメリカの研究結果で
つわりを経験する妊婦は経験しない妊婦よりも
50~75%流産のリスクが減少するそうだ
また別の学説によれば
嗅覚が敏感になるのはそれによって
特定の食品を避ける事で
胎児の奇形を起こしやすい食品を
避けているのだそうだ
日本人が米を避けるのは俺にも謎でしかないが
炊き立ての米はダメで冷ご飯ならいいのか
「杏寿郎、どうしたの?食べないの?」
「いや、食べる。美味いな…」
朝食を済ませて 片付けをすると
「今日は、車で通勤するか?みくり。
電車より、車の方がゆっくり通勤出来るだろう?」
こうなる前までは
妊娠してからも 運動した方がと思ったが
日常生活に支障をここまで及ぼすのなら
食事もロクに取れてないのに
いつもより 歩かせるのもなと思ってしまう
心なしか 少し瘦せた様にも見えるしな
「なぁ、少し、痩せたか?」
「そんなすぐに痩せたりしないよ」
いつもより早い電車に乗るから大丈夫と
車で行くのは断られてしまった
会社のエントランスホールで
みくりと別れて
同じ部署の竈門炭治郎と
我妻善逸 その2人と同期の嘴平伊之助が
杏寿郎の方へ嬉しそうな顔をしながら近づいて来て
「おはようございます。煉獄さん」
「ああ、おはよう。どうしたんだ?
今朝は、随分と、上機嫌なんだな」
「あっ、えっと…、おはようございますッ。
なぁ、炭治郎、みくりさんが言う前に
先に言ったらダメな奴じゃない?これ」
善逸が杏寿郎に挨拶をしながら
炭治郎の小声で話しかけていて
炭治郎はそれを聞きながら
何かを言いたそうにしている
伊之助の口を両手で塞いでいて
ニコニコしながら善逸に目配せをして
「あー、すいませーん。俺達、
会議の準備がありますので~
先に行かせて貰いますね、では」
相変わらずに竈門君は嘘が下手だなと
杏寿郎は思いながら3人を見送った
みくりが自分のデスクの上を
仕事をしやすい様に準備をしていると
スッと自分のデスクの所に係長が来て