第85章 秋は巣ごもり 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「奥さんらしからぬ…、
感じがしたのは俺の気のせいか?」
「そっ、それは…、今日はさ。
旦那さんと、その、出張お籠りでしょ?」
「まぁ、最後かもしれないだろ?だから…」
「全部話しておきたいんだ?」
杏寿郎の言葉に
みくりがそのまま続けて来て
「いや、あのなぁ。みくり。
俺はシンとは戦わないからな?」
「杏寿郎が言ったんだよぉおおっ、
そこまで言われたら言うでしょーーー?
って、何が最後かも?しれないの?」
「俺が君とこうして、ふたりきりの
夫婦の旅行をするのは…の話だが?」
FF10の有名な台詞を
杏寿郎が言って来たから
思わずノリでそのままその台詞の
続きを言ってしまって居たけど……
ふたりきりの夫婦の旅行
確かに赤ちゃんを妊娠してしまったら
安定期になったら旅行は
できるにはできるけど
その妊娠中に行く旅行は 杏寿郎が言う様に
ふたりきりの夫婦の旅行…とは呼べないと思う
「それは、白浜に旅行に行こうって
急に言ってくれたのと、同じ理由だった?」
食事も進んで カニは殆ど食べ終わっていたし
頼んでいた日本酒も空になった
瓶が並んでいた
「あのさ、杏寿郎、そっちに…、行っていい?」
「ああ、みくり、こっちに…来るか?」
自分の座って居た
木の座椅子から立ち上がって
杏寿郎の身体にもたれ掛って
自分の手に持っていた冷酒のグラスを
みくりが杏寿郎の方へ差し出して来て
チンっとそのグラスを
何も言わずに合わせて乾杯をすると
グイっとその中の冷酒を飲み干した
「このまま、もうちょっと…飲むか?」
「でも、そろそろ、良い頃だし
雑炊作りに来てくれるかも?」
「良いだろう?別に、このままでも」
「それは、夫婦だから…って事?」
スリッ…と 猫の様にして
みくりが杏寿郎の身体に
自分の身体と頬を擦り寄せて来て
その肩に腕を回して 自分の身体に
みくりの身体を持たれ掛けさせる
そんな風にしながら しばらく
夫婦水入らずで日本酒を飲んでいると
ピンポー―ンっと 部屋のインターフォンが鳴って
ここの従業員の人が
おひつと玉子を持って雑炊を作りに来てくれて
慌てて離れようとしたのだが
そのままごゆっくりと言われてしまい
雑炊の準備をして貰っている間も