第85章 秋は巣ごもり 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
カニの天ぷらが好きだと話すと
杏寿郎が自分がカニ刺しを追加で注文するから
一緒に頼むかと尋ねて来てくれて
天ぷらも好きだけど カニ刺しも大好きなので
両方追加で注文して貰う事にした
「美味いか?カニ」
「うん、美味しいね。カニ。
カニ好き、幸せの味がするもん」
ニコニコと笑みを浮かべながら
みくりがカニ刺しを
刺身醤油に付けてあーんっと
大きな口を開けた中にカニの脚を
入れると もぐもぐと咀嚼していて
自分の口の中に広がるカニの香りと
粘り気のある身質を感じながら
その香りの奥にある身の甘みを舌で感じる
「んん~んっ。はぁ~、最高…ッ、
ねぇねぇ、杏寿郎、そろそろさ、
カニスキも良い感じそうじゃない?
杏寿郎の分も取り皿によそおうか?」
「ああ。すまない、頼む。
だったら、空いてるグラスに冷酒入れるか」
みくりがカニスキの野菜とカニと豆腐とを
取り皿の中にバランスよくよそって
杏寿郎の前に置いて 自分の分もそれと
同じ様によそうと 自分の前に置いた
「もうちょっと、飲むだろう?」
カニが美味しかったから 間間に
冷酒を飲んでたらもう3本飲んでた様だった
「もうちょっと、飲みたいかな?
まだ、カニ残ってるし、食べながら飲みたいな」
「じゃあ、さっきのと違うのな?」
「辛口がいいな」
「端麗の辛口だろ?飲み口の軽やかさと。
辛口のキリっとした味わいがある。
飲み飽きない味の日本酒だが。
ビールの苦いのは苦手なのに、
日本酒は辛口なんだな、違うのか?」
「うーん、日本酒の甘いのは
そんなに得意じゃないんだってば。
杏寿郎の好きな辛口は癖と言うか灰汁強いもん」
杏寿郎が取り扱っている
地酒の銘柄のお品書きを見せて来て
「そう言うが、俺の好きな濃醇辛口は
日本酒が持つ、甘、酸、苦、辛、渋の
味のバランスに偏りのないコクのある
味が特徴の日本酒だな。深い味わいと
香りの中にキリっとした口当たりがいいからな」
「杏寿郎。カニ、良い感じに焼けてるよ~」
コンロの上の焼きガニが焼けたよと
みくりが杏寿郎の取り皿の上に
香ばしい香りのする焼きガニを置いて来て
「美味しいカニ食べて、美味しい日本酒を
素敵な旦那さんと飲めるなんて、最高だよ」
「酔ってるのか?」
「え?まだ、そんなには酔ってないけど?」