第85章 秋は巣ごもり 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
駐車場からちょっと歩いた先に
シナスタジアヒルズと書かれた
光るゲートが見えて
その先がイルミネーションの会場の様だった
そのゲートの先には
四角い光のトンネルが
螺旋を描いて角度を変えながら
7色にその光の色を移り変わりつつも
途切れることなく続いている様に見えて
光の渦の中に吸い込まれる様な
錯覚を感じさせる様になって居る
「杏寿郎さんっ」
「どうした?みくり」
「私、温泉のついでの程度に思っておりました。
これは、中々によきにあります」
「そうだな、俺も正直そんなに
期待はして無かったんだ。宿泊者特典だしな」
「綺麗」
「ああ。光の渦の中に
吸い込まれそうな感じだな」
光のトンネルを抜けた先には
光の雨が降りしきる森の出て来て
「雨降ってる」
「そうだな、光の雨だな」
「凄いかと言えば凄い。
でも。綺麗かと言うと、どうだろ?」
「じゃあ、あっちに見えるのはどうだ?」
イルミネーションの会場の中央にある
湖の湖面には七色に輝く
ガラスで出来た様な大きな蓮の花があって
「あれ、幻の銀水晶じゃない?巨大な」
「言うと思ったがな。そう見えるよな」
「クリスタルトーキョーに
ありそうなオブジェだね」
その先には色とりどりにライトアップされた
木々に囲まれながら 椅子に座って
さっきの七色の巨大な蓮が輝く湖面を
ゆっくりと眺められる場所があった
「暑い季節ならいいが、ここまで冷えると
ここでゆっくり眺めようとはならないか」
そのエリアの先には
一面が緑の光に包まれた森があって
沢山の蛍の様な光が行き交うのが見える
数百ではなくて数千にも見えるその光の中で
一瞬にして寒さを忘れて
夏にでもなったかの様な錯覚を憶えるが
すぐにその肌に感じる冷気で
現実に引き戻された
「凄いね、杏寿郎。蛍が沢山居るみたいだね」
「スターダストフォレストらしいぞ?」
「スターダスト?
蛍ライトフォレストじゃなくて?」
「Firefly」
「ファイア…フライ?」
「英語では、蛍の事をそう呼ぶんだ」
「じゃあ、ファイアフライフォレストじゃん」
数千の蛍の森を抜けた先には
一面に青く光り輝く丘が見えて来て
どこまでの青いライトの光が
続いているように見えて
部分毎に色味が変わって違った表情を見せる