第85章 秋は巣ごもり 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
気になったレシピをスマホで撮影していて
「それ、いいのか?みくり」
「本屋の店頭で、売ってる本でも、
撮っても問題はないらしいよ?
お店の人には嫌な顔されるだろうけどね」
杏寿郎は壁に上半身を預けながら
よしよしとみくりの頭を撫でつつ
自分が読みたい本を読んでいる
「ここは猫カフェじゃにゃい~ぃ」
「良いだろう?頭撫でられるの好きだろう?
それに奥さんは、前に猫になってなかったか?」
「あーでも、猫を、個室ブースに
連れ込んだりできて、ハンモックある様な。
保護猫カフェがあると良いかも?
中条市でもね、保護猫の譲渡会とか
マッチングをしてるNPOが居てね?
寄付とか、クラウドファンディングとかで
活動費を稼いでるみたいなんだけどね?」
「今は、地方の自治体が犬や猫の
殺処分ゼロを目指してる地域もあるだろ?
中条市も市が介入するのか?」
ゴロンゴロンと
フラットシートの上で
みくりが猫の様な動きで寝転がって
「そりゃ市民が、頑張ってるのにさ。
市が動かないとかある?
中条市長の評価も下がるよ~。
田舎の市政なんて、
市民に寄り添ってナンボでしょ?」
「猫カフェ寄りの、保護猫カフェか。
スタッフに地元のボランティアを入れつつ。
事業としても成り立たせつつになりそうだが?」
「後は、縁側席と、こたつ席を
作れば完璧じゃない?猫カフェの
猫ちゃんじゃなくて、保護猫の方が
似合うと思うの、縁側とこたつ」
「こたつで、ミカンしながら、
猫と戯れるか。悪く無いな」
「後は、空き家になってる古民家を無償で
使っていいよって提供してくれる人が居て。
それをリノベーションしてくれる、
市民のボランティアが居たら。
開店資金は抑えられそうだけどね」
「観に行くか?イルミネーション。
そろそろ日も暮れてるだろうしな」
杏寿郎が声を掛けて来て
イルミネーションは17時からしてるらしいから
名残惜しいのは惜しいけど
ランタンテラスを後にして
靴を履いて外に出ると
まだ17時過ぎなのに
どっぷりと日が落ちて暗くなっていて
道路を挟んで向かいの駐車場の
更に奥側に位置する会場の
シナスタジアヒルズを目指す
「やっぱり、山の中だけあるな」
「日が落ちると冷え込むね」
繋いでいた手を杏寿郎が
上着のポケットの中に導いてくれて