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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第21章 惣菜屋さんと煉獄さん 後編 お相手:煉獄杏寿郎



「誰も彼も、前しか見えてないみたいだ」

そう自分のすぐ隣で
通りの方を同じように見ていた
煉獄さんがそう 私に言って来て

「あの…、ここででしょうか?」

「貴方としては……、ここはお嫌の様だが。
俺としてはここの方がいいが?
余りに静かすぎる場所では、
熱がこもりすぎてしまうかも
知れません故……」


2人きりになれる場所では

口付けに熱がこもり過ぎると

そう言われて

私がその問いかけに
どう返したらいい物かと
返答を詰まらせていると…


「それとも、
……その方がご都合がいいと
貴方が仰るのなら、
また別の話ではありますが?」

彼の言葉に
昨日の夜の口付けを思い出す

もどかしいと感じて

物足りないと感じた 口付け


もっと そうされたいと

望んでいたのを

今なら 叶えてくれると


そう 甘い声で囁かれているのだ


「みくりさん。如何……なされるか?」


そんな いつもはしないような
企みをはらんだ様な笑みを浮かべて


自分の手に持ったりんご飴に
チュウっと口付けを落とすと
舌を這わすようにして
りんご飴を舐める

単にりんご飴を食べているだけなのだけども

その仕草が 艶めかしい

いやいやいやいや

何を考えてるの 私はっ

りんご飴食べてるだけだもの
舐めるのだって当然でしょうがっ


半歩分 距離を詰められて
トンと背中が建物にぶつかって止まった

後ろ…壁だ

これ以上は下がれない……けど


「ここだけの話ではありますが、
俺は、実はりんご飴は苦手だったんだが。
その、飴が甘い分……
中のりんごが酸っぱく感じてしまって……。
だが、あの夏に貴方から
りんご飴を貰ってから……。
俺が毎年、祭りの度にりんご飴を
欲しがるようになったのを
俺の両親も不思議がっていた……」

「すっ、すいません。苦手だとは知らず。
押し付けてしまって…」

「だが、貴方があの時
俺にそうしてくれなければ。
俺は今も、りんご飴が
苦手なままだったかも知れませんが?」

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