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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第21章 惣菜屋さんと煉獄さん 後編 お相手:煉獄杏寿郎


煉獄さんの 下の名前
杏寿郎と呼んで欲しいと

そう 懇願されてしまって
そこまで願われて 望まれてしまっては
呼ばない……訳にも 行かず

ゴクリとみくりが固唾を飲んで

スッと息を吸い込むと


「きょ、杏寿郎…さん…」


恐る恐る 彼の名を呼んでみると

ぱあっと目の前の彼が 目を輝かせて

私は只 名前を呼んだだけなのに
どうして そこまで…


「みくりさん、貴方も如何ですか?」


そう言って
いつの間にか私の手から
掠め取っていた りんご飴を

私に向けて差し出して来る

これは 
食べろ…と言う意味なのだろうけど


流石にかじるのは難しそうだからと

そのりんご飴を
そっと舌で舐めると

甘くて… 懐かしい
良く食べた 昔と何ら変わらない味がして

私が口を離したのを確認すると
自分の手元に煉獄さんがそれを
引き戻し そのりんご飴を舐め始めた

いや 何だろう

単にりんご飴を食べているだけなのだけど

どうして こんなに

彼の表情から
目が逸らせなくて

じっと見てしまっていたのに
気付かれてしまって


「もっと、……欲しかっただろうか?」


そう言って ずいッと
口の前にりんご飴を差し出されてしまって

りんご飴に仕方なくではあるが
舌を這わせて舐めていると

きっと 今 彼に

そうしている顔を見られてるんだろうなぁと

想像してしまって

何とも言えず
居心地の悪いような

そんな気分になって来てしまう

「あの、杏寿郎さん。私はもう……、
結構ですので、後は……どうぞ?」

「みくりさん…、りんご飴も悪くはないが…」

すっと彼が空いている手を
私の頬に添えて来て

そのまま 頬を撫でおろされると

親指の腹で 唇に圧を掛けられる


「俺としては…、
貴方の唇を味わいたい…所だが?」

知らぬ間に
大分辺りは暗くなって来て
すっかり夜になってはいるが

路地裏から通りの方へ目を向ければ

その僅かな 路地の入口からは

通りを歩く 人々の姿が見える
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