第85章 秋は巣ごもり 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
お互いが気になる店を
指で差していると
交差した手と手が当たって
夫婦なのに何を意識してるのかと
思ってしまわなくもないけど
バサッと頭の上に何かが掛かって来て
フッと暗くなると
腰に掛けていたタオルを
頭に掛けられていて
「ちょっと、こんな事したら
暗くなっちゃう、本が読めないじゃんか」
しーぃと 静かにする様にと
杏寿郎が合図をして来て
「静かにって、図書室じゃないんだよ?」
「今は、ダメと言いたそうだな」
さっきから空気が甘いから
そうしたいんだろうって言うのは
何となーく気が付いてたけど
今だって腰に乗せてる腕が
乗ってただけだったのに
手の平で腰をスルスルと撫でられていて
「杏寿郎…ぉ、腰は…ダメ…ッ」
「腰なら良いだろう?館内着を着てるんだし
それに、腰を抱いて歩いてるカップルだって
その辺に普通に居るだろう?」
そう耳元に囁き掛けて来て
ちぅっとそのまま耳にキスをされる
そのまま お互いの視線がぶつかって絡むと
「みくり」
名前を呼ばれて そのまま
杏寿郎のキスを受け入れてしまって居て
ちぅ…ちぅ…と短いキスを
何度もされてしまう
『ままーー、見てぇテントォーー』
すぐ近くで小さな子供の声がして
慌てて身体を離すと
小さな子供がそこに立っていて
この中に入りたそうにしていたから
隣の杏寿郎の襟を掴んで
ハンモックテントの中から引っ張り出すと
「僕、良かったらお姉ちゃんたちは
もうここ、使わないから、どーぞ」
その子がうんしょうんしょと
そのハンモックテントによじ登っているのを
微笑ましい気分になりながら
みくりがにこにこして見ていて
「みくり、俺はまだあの中に
籠りたい気分だったんだが?」
「さっきね、気が付いたんだけどさ。
これよりも、籠るのに向いてるのある、あっちに」
奥の壁際には カプセルホテルの様な
木製の上下に2段になったブースが並んでいて
「あれはお一人様専用だろ?」
「違うの、こっち大きなテントの下の土台」
この ランタンテラスと言うエリアの
象徴の様な人口の芝のシートと
切り株のクッションでキャンプファイヤーを
囲むようになっているグランピングテントの
小さいのが乗っている土台を見ろと言われて
その木製の土台にも
同じ様にドアが幾つか並んでいるが