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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第21章 惣菜屋さんと煉獄さん 後編 お相手:煉獄杏寿郎


彼の言葉が引っ掛かった
そうであるのなら……

「え?でしたらもう何年も
来られてなかったんですか?」

彼は周囲の出店を見まわして
どこか遠い記憶を
思い返していた様だった

「しかしながら、毎年この時期になると
思い出す事がありまして……」

「思い出す事……ですか?」


「あれはそう。
……俺がまだ5つの頃だったか。
祭りではしゃぎすぎてしまって、
あちこち見ている時に、
両親とはぐれてしまいまして……。
お恥ずかしい話ではあるのですが……」


彼は 今 20なのだから
それは15年前と言う事になるのか


「結局、その時の彼女には
未だに、礼が言えないままだ…。
ああ、迷子になって、泣いていた俺に
自分が持っていたりんご飴をくれた
歳の頃は……10かそこら位の……。
浴衣の女の子が居たのです。
彼女は俺の手を引いて
俺の両親を共に探してくれた。
自分だって、祭りを楽しみたいだろうに……」


15年前の祭りで

迷子になって泣いている
変わった毛の色の男の子……

歳は5つ……

みくりの脳裏に

15年前の祭りの記憶が

鮮明に蘇ってくる


「貴方……でしょう?みくりさん」


ああ そうだ

彼だ あの時

あの通りから外れた 路地裏で

しゃがみこんで
ひとり泣いていたのは

彼だ…ったんだ


「そ、そう……でしたね。
煉獄さんに言われるまで、
すっかり忘れておりましたが…」

「俺はずっと、後悔していた。
なぜあの時、貴方に名前を
聞いておかなかったのかと。」

「でも、お礼を
わざわざ言って貰う様な事は何も……」

「俺の願いをひとつ…、
叶えて頂きたいのだが……。もう一度、
俺に…。貴方の手からりんご飴を
贈っては貰えないでしょうか?」


煉獄さんからの願い事は

りんご飴を 私から欲しいと言う物で


「それ位は…構いませんが……」

「でしたら、あの時の場所で…」


そう言って彼は
祭りの人の流れに乗って
歩いて行ってしまった


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