第84章 秋は巣ごもり 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「ねぇねぇ、杏寿郎。
明日さ、るり渓自然公園に行くでしょ?」
るり渓は そこまで混雑する様な
紅葉のスポットでは無いが
風光明媚な美しさから「関西の軽井沢」
とも呼ばれているオオサンショウウオの生息地だ
夏の週末は川遊びを楽しむ
家族連れが訪れるスポットではあるが
るり渓そのものよりも
そのすぐ近くにある るり渓温泉や
その温泉に併設されている
グランピング場の方が人気がある
「ああ。そのつもりだがどうしたんだ?」
「明日さ、お弁当持って行こうよ、
お弁当持って行ったらさ。
紅葉狩りもさ、ハイキングみたいじゃない?」
「秋の遠足か?」
「ふふふっ、遠足か。
じゃあ、おやつも買わないとね?
帰りに、スーパー寄ってもいい?」
巣ごもりの期間は買い物行かないと言ってたけど
今もこうして 銀杏拾いに来てるし
昨日の昨日で夕日を観に行ったりしたし
明日は明日で 紅葉狩りに行こうと言ってるんだから
予定しても予定通りに行かないのも
私と杏寿郎らしいのかも知れないな
「そうだな、何だかんだ言っても。
冷凍食品とか、デリバリーよりも
君が作った料理が食べたいと思ってしまってるしな。
よし、じゃあ、スーパー寄って帰るか?」
「杏寿郎、おやつはさ、200円?
それとも、300円まで?
おやつも買って帰るでしょ?」
「そうだな。それもいいかもな。
なかなか、おやつ持って出かけるとか
大人にったらしないしな。
ああ、君の学校は、遠足のおやつに
ガム禁止とか、あったか?」
「えっ?別に金額以内なら何でも良かったけど
でも、あれさ、確認される訳じゃないからさ
金額過ぎてても、バレないんじゃね?って
小学生ながらに思ってた時はあったけどね」
杏寿郎の言葉に みくりがそう返して
うーんと唸り声を上げると
「こども園行ってる、子供が居る子がね
言うには、遠足のおやつその物が禁止って
こども園とかもあるし、今はアレルギーの
観点からおやつの交換が禁止とかもあるんだって」
展望台を後にして 来た道を戻りながら
遠足のおやつについての話をする
「杏寿郎は遠足のおやつは何?
私はねぇ、よっちゃんイカと。
後はね、下町焼きそばか、どんどん焼きか
コンポタスナックの中のどれか」
「ちょっと待ってくれ、みくり。
味が、自分の口でするんだが?」