第83章 秋は巣ごもり 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「自家製?自家製って程の物じゃないよ?
売ってた筋子買ってばらして、漬けただけ。
かねこさんが、その方が沢山
お得にイクラ食べらるからって」
カナッペを食べている間に
椎茸のエスカルゴバター焼きが出来て
「あ、焼けたみたい。持って来るね?」
「俺は、幸せ者だな」
「え?どうしたの?急に」
「毎日、美味い物を
食わせてくれる料理上手の奥さんが居て」
みくりが不思議そうに首を傾げていて
「手の込んだ物全然、作らないよ?私は」
料理には手間は掛けないと
みくりが言って来て
自分は料理上手では無いと言いたいらしいが
「家で生湯葉作るのも、
イクラの醤油漬け作るのも
奥さんぐらいだと思うけどな、俺は」
「そうなのかな?湯葉は杏寿郎が
好きだから作ってるだけだよ?
はい、どうぞ。椎茸のエスカルゴバター焼き」
それからと一緒に
ガラスの器に移した
ミニトマトのピクルスを置いて
「ミニトマトのピクルスか?」
「お口直しにね?これはおじさんの
ミニトマト関連の新製品ね。
ゼリーも送ってくれたから、
冷蔵庫で冷やしてあるよ?
後で、デザートに食べようね」
「豪華だな」
「そう?あった物集めただけな気がするけど。
ああ、でも、今日は色々と買っちゃったのは
買っちゃったんだけどね?食材は…」
気まずそうにしながら
みくりがこっちに言って来るから
「そんなにこの牡蛎、高かったのか?」
「えっ?これは400円ぐらいだけどっ」
明らかにみくりの様子がおかしいが
そんなに元から用意してた物に
高額な食材は無かった気がするが
何に動揺してるのか?みくりは
「長いも、いつものにしなかったんだな」
「あー、長いも?長いもね。
いつもの短冊に切って、めんつゆでもね。
美味しいのは美味しんだけどね。
今日はメインがハンバーグだったから。
洋風に纏めて置こうかなって」
「ああ。だから、コンソメスープに
マリネと、アヒージョなんだな」
言えない 実は そう言う効果のある
食材を集めましたとは言えない
「う、うん。そう。あ、そうだ。
シャンパンのお代わり貰っても良い?」
「ああ、注ぐか?」
「うん、ありがとう。杏寿郎」
「今夜は前祝になると良いんだがな」
そうしみじみとしながら
杏寿郎が言って来て