第83章 秋は巣ごもり 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
チンっとお互いのグラスを合わせて
乾杯をする
「あ、そうだ、杏寿郎さ。
ちょっといい、レストランごっこしない?」
いい物があるよと言いたげに
みくりがテーブルの上に
ステンドグラス調の入れ物に入った
LEDのキャンドルを並べていく
「買ったのか?これも」
「これは、買ったんじゃなくて、貰ったんだよ。
この間の時に、蜜璃ちゃんからね。
お引越しのお祝いにって、素敵な
ダイニングになるわ~って。引っ越しの
荷物に紛れちゃってて、全然関係ない場所に
しまい込んじゃってたの、見つけたの」
LEDだけど ちゃんとキャンドルライトが
揺らいで 炎の様に見えるし
リモコンで色調とか明るさとかを
調節する事もできるから
消し忘れとか倒れても安心だし
キャンドルライトを眺めながら
バカラのグラスでシャンパンを飲んで
アヒージョを食べて居たら
ちょっといいレストランみたいに
感じなくもない 気分だけは
「なぁ、折角なんだし、あれ出すか?
フォアグラとトリュフのパテ、あるぞ?」
「バゲットは無いけど、クラッカーならあるよ?
エスカルゴバターあるよ?いくらと乗せる?
送って貰った椎茸あるから、椎茸に
エスカルゴバター乗せて、トースターで焼く?」
「美味すぎるだろ?間違いなく」
「だって、ホラ、そうしたらさ
いいレストランごっこぽくない?
マッシュルームがあればさ
本当はそっちの方がいいけど」
待っててねと言ってみくりが
立ち上がるとエスカルゴバターと
買って置いていたフォアグラのパテと
イクラとクラッカーを皿に乗せて戻って来て
オーブントースターの中では
椎茸にエスカルゴバターを
乗せて焼いている途中で食欲を
刺激するニンニクとバターの香りがして来る
「確かに、ちょっといいレストランの
アラカルトメニューみたいだな」
「だって、杏寿郎がさ、いいシャンパン
開けてくれてるでしょ?今夜は。
だったら、これ位でぴったりだと思うんだよ?」
「イクラ、買ってたのか?」
ううんとみくりが首を振ると
「これはね、筋子を買って作ったの。
気まぐれクックでさ、何度も見てたし。
筋子見つけたらしたいなって。そしたらさ
丁度筋子がね、一腹で売っててさ。
気まぐれクック見ながら作ったの」
「じゃあ、このイクラは
自家製のイクラの醤油漬けなのか?」