第83章 秋は巣ごもり 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
そう言いながらも
コーヒーを淹れる用意も後ろで
俺が手を洗っている間にしてくれていて
「そこまでして貰ったら、十分だ。
もう、先にあっちでゆっくりしててくれ。
君は、柚子茶でいいのか?」
「うん、柚子茶でお願いしまーす。
折角おばあちゃんが送ってくれたからね。
沢山あるし、柚子茶、頑張って飲まないと。
ああ、一緒に柚子も届いてるけど。
柚子風呂にする?お風呂に入れて来ようか?」
「そうだな、柚子風呂。入るか」
「そう?じゃあ、準備するね?」
柚子の香りが出る様に
3つの柚子を半分にみくりが
カットしてそれをネットに入れると
いそいそとお風呂場へその柚子を
持って行ってしまって
コーヒーの準備をしながら
片手間にそのままになっていた
包丁とまな板を洗って片付けて置いた
「あ、杏寿郎、しようと思ってたのに。
包丁とまな板片付けてくれたの?」
「どうせ、ここに居たからな、ついでだ」
「そっか、ごめんね。ありがとう」
キッチンにはさっきカットした
柚子のいい香りがしていて
「うーん、キッチンが柚子の香りだね」
「いい香りだけどな。柚子の」
「ねぇねぇ、檜も入れる?
檜風呂で柚子湯してる気分になるかもよ?」
そう言いながらキューブ形状の
檜の木を見せて来て
「どうしたんだ?それ?」
「今ね、全国的に問題になってるんだけどさ。
今に始まった問題でもないけど。山がね
放置されてるんだよね。あちこちでね。
山って、管理しないと荒れるんだよ。
植林された人工林がほとんどだからね、
自然の物じゃないから、どうしても過密になるし。
そうなると十分な日光が届かなくてね?」
くんくんとその檜のキューブに
みくりが自分の鼻を近付けて
「そのまま立ち枯れみたいになっちゃって、
土砂災害とかね、災害を引き起こしてるんだよ。
成瀬さんがね、中条市の放置される山林をね
安全に自然と暮らせる市にする為にね、
中条市と一緒に管理してるみたいでね?」
「だが、それは檜だが、
ほとんどが杉じゃないのか?」
「杉の木は、木工クラフトをしてる
体験教室とかでね、地元の小中学生を
対象にして、中条の杉で
クラフト体験をしたりとか。
薪としてね、格安で販売したりしてるよ?
建築資材ともしては杉はいいみたいだけどね。
彫刻には向いてないらしいよ。杉の木」