第20章 惣菜屋さんと煉獄さん 中編 お相手:煉獄杏寿郎
「お納め、頂けるだろうか?みくりさん」
自分に差し出された その封筒を
すいませんと
頭を下げながら受け取った
分厚い ずっしりとした重みのある封筒
私がこれを 受け取った事によって
私と煉獄さんが
このお金の繋がりで
文字通り
繋がりの 関係を持つことを
容認すると言う 意味を指すのだから
私の身内である トキ叔母さんが
それを認めたと言うのは
彼からすれば 驚くのも 無理はない
「みくりちゃん。鍵は持ってんだろ?
私は勝手に戸締りして帰るから。行ってきな」
「え。あ、……そうね。
お迎えに来て下さったから。そうする。」
「あの、煉獄さん、少しだけ…
お待ち頂いていいですか?流石に、
こんな大金を持って行くわけには……」
「ああ。それもそうではあるか。
では、少し待たせて頂こう」
みくりがそう言い残し
店の奥へと引っ込んで
店にはトキと杏寿郎だけになる
意外にも沈黙する間もなく
杏寿郎がトキに問いかけた
「その、……佐伯さん…は、良かったので?
俺に……、大事な姪御さんの身を
預ける様な事を認めてしまって……」
「何だ、そんな事気にしてんのかい?
男がそんな、細かい事気にしてどうすんのさ。
私には、それに口を挟む権利なんてないよ。
それはアンタ等が、取り決めた約束なんだろ?」
「それは、確かに
お言葉の通りではあるのですが」
「それに、あの子は娘さんでもないんだよ?
むしろ、あんなとうが
立った様なので良いって言ってる
男がいるんだったら、願ってもないけどねぇ?」
「しかしながら。……俺は、卑怯者だと…、
罵られる覚悟があって
そう貴方にお尋ねしてるのだが?」
「卑怯者……、ねぇ。いいんじゃないのかい?」
「え?それは……」
「何、簡単な事さ。
素直じゃない卑怯者同士。
似合いだって、私は言ってんのさ」