第82章 偶にはこんなデートでも… お相手:不死川実弥 現代パロ
チンっとお互いのグラスを合わせると
グイっとそのグラスの酒を飲むと
こうして ソファに座って居ると
さっきここで その所謂…駅弁と言うのを
初めて経験した訳で…ッ
「飲まねぇのか?さては
さっきのアレ、思い出してたのかよ。
スケベェだなァ、お前は。こん後、すんだろ?」
「するっ、しますッ」
「ハハハッ、素直なこったァ。
お前の、そう言うの、嫌いじゃねぇよ」
いい子いい子とグシャグシャに
頭を乱されてしまって
子供扱いをされてしまう
「不死川さんは、私の頭を撫で過ぎですッ」
そう自分の頭をその手から
守る様にしてみくりが覆うと
「仕方ねぇだろうがよォ、可愛いもんはよ。
撫でたくもならぁ。お前の所為だろうがッ」
「……ええっ!か、可愛…い、い…?」
ぐしゃぐしゃとばつが悪そうに
不死川が自分の髪の毛を搔き乱すと
「ああっ、もう。今の、忘れろォ」
「わ、私っ、お風呂お湯張りして来ますね?」
気まずい空気になったので
みくりが立ち上がると
後ろで何か言ってる不死川を無視して
バスルームにお湯張りをしに向かう
バスルームに入って
湯船の栓を締めると
熱めの温度にセットしてお湯張りをする
最初の温度が上がる前の水を
栓を外して捨てて 温度を確認すると
栓を締め直した
その湯船に溜まって行くお湯をしばらく
ぼんやりしながら眺めていると
「んなもん、付きっ切りで眺めて無くても
お湯ぐらい勝手に、入らぁ」
私がお湯張りに行って戻らないから
不死川さんが様子を見に来ていて
こっちが返事を返さないから
はぁーっとため息をつくと
「俺も、飲み過ぎちまったなぁ」
そう言いながら ボスッと
後ろから私の肩の辺りに
顔を埋めて来て
頭をグリグリと押し付けて来る
「あの、もしかして…、
不死川さんはしゃいでる…とか、ですか?」
「ああ、そうかもなぁ。
俺らしくねぇとか、言うか?」
ふふふとみくりが笑うと
「いーえ、言いませんよ。そんな事。
不死川さんが、今日の事、前々から
考えて予定立てて予約してくれたんだって。
私、ちゃんと分かってますから。
それに、私も、嬉しかったです
近場で都内ですけど、旅行出来て良かったです」
「俺だって、思ってらァ」
そう 不死川が小さな声で言って来て
ついつい嬉しくなってしまった