第82章 偶にはこんなデートでも… お相手:不死川実弥 現代パロ
私にハブ酒を飲まないかと
その後も何度か勧めて来たが
丁寧にそれはお断りをしておいた
夕食で沖縄気分を満喫して
会計を済ませてお店を後にする
「まだ、飲み足りねぇ」
「じゃあ、ホテルでこの後飲みますか?」
さっきの夕食の時に飲んだ分では
飲み足りないと不死川が言って
サンシャインシティの中にあるファミマ!!で
アルコール類とおつまみを適当に購入して
ホテルの部屋に戻ると
不死川が自分の鞄から
充電のコードを取り出して
ベットの頭元にあるUSBの差込口に
その見覚えのあるコードを刺すと
あの例のクジラを充電し始めて
「割と、長時間使ってたからなァ。
クジラちゃんも、餌の時間だろ?」
と不死川さんが言うにはクジラちゃんに
充電と言う名前の餌やりを始めて
夜に使うって言ってたから その
使うつもりで餌をやってるんだと思うと
ちらっとそのジップロックの中のクジラに
みくりが視線を向けると
今日の昼間のサンシャイン水族館での
デートの時の事を思い出してしまって
思わず ゴクリ…と固唾を飲んでしまっていた
「どうしたぁ?みくり。
あのクジラがんなに、気になってんのかァ?
クジラちゃんは、今、餌食ってんだろ?」
そう放っておいてやれとでも言いたげに
不死川がみくりに言って来るが
あれを見たら 思い出してしまうから
やっぱり パブロフの犬なのかも知れない
ソファの前のテーブルには
瀬戸内レモンのタンスティックや
生ハムにチーズやナッツ類を適当に
ビールや缶チューハイと缶入りの
スパークリングのロゼワインは
私にと買って貰った
「ワイングラスに移すかァ?」
確かに折角のロゼの可愛らしいピンクも
缶のままだと見えないので
不死川がワイングラスに移すかと
こちらに尋ねて来て
「ワイングラスもあるんですか?」
「ああ、取って来てやらァ。ほらよ」
部屋の備え付けのグラス類の中に
ワイングラスもあったらしく
不死川が消毒してあるワイングラスを
テーブルの方に持って来て
自分のハイボールを普通のグラスに注いで
私のスパークリングワインをワイングラスに
トクトクと注いで行って
その中を満たす淡いピンクの液体の色合いは
見てるだけで可愛らしいと感じる
「乾杯、すんだろ?」
そう言って 不死川が
グラスをこっちに差し出して来て