第82章 偶にはこんなデートでも… お相手:不死川実弥 現代パロ
思わず それが考えるより先に
私の口から出てしまって居て
「まぁなァ。他所で女こさえたりよォ。
お袋に手ぇ上げる様な、とんだDV野郎だ。
何が問題って言うとなぁ、
んなクソみてぇな親父に、
お袋がぞっこんだって事だァ」
そう言いながら いつもなら
音を立てたりしない不死川が
苛立たし気な様子でスパゲティを
フォークに音を立てながら巻き付けて居て
昔あったお父さん絡みのあれこれを
思い出してるんだろうけど
不死川さんとしては離婚しても
良かったとか思ってた時期があったのかな?
その辺りの事は
そっとしといた方がいいのかな?
結婚とかってまだ慌てなくていいけど
不死川さんがそう言う話して来ないのって
関係あったりとか するのかなぁ?
エスカルゴの旨みのオイルに
ちぎったガーリックトーストのバゲットを
不死川が浸して食べていて
「これっ、めっちゃ美味めぇぞ?すっかァ?」
アヒージョに
バゲット浸して食べたら美味しいもん
ここのエスカルゴ美味しいから
絶対に美味しいに決まってる
ボリュームのあるランチでお腹がいっぱいになって
ギオットーネを後にする
ここから クジラちゃんのお友達がいる場所は
歩いて10分程度の距離にあるから
「食ったなァ。んじゃぁ、行くかァ」
「美味しかったですね、不死川さん」
「そろそろ、その不死川さんって言うの
止めねぇかァ?みくり」
「ええっ、あ、えっとぉ、実弥さん」
そう呼んで ドキドキしてしまっている
呼びなれない呼び方に
ドキドキしてるんじゃなくて
下の名前で呼ぶのは えっちの時だから
パブロフの犬じゃないけど
私の脳内に刷り込まれてるのかも?
「手ェ、繋ぐかァ?」
「手ッ、繋ぐっ、繋ぎますっ、繋ぎたいですッ!」
「どんな、三段活用かよ?ん、手な」
空いている方の手をこちらに差し出して来て
不死川の手を取って繋いだ
「んな、繋ぎ方してんじゃねェ。こうだろうがァ」
普通に繋いだ手を恋人繋ぎにされて
ギュッと上からその手を握られると
その手を自分の上着のポケットに
導いて入れられてしまって
「にゃっ…ッ、あっ、あのッ、
不死…じゃなかった、実弥さん?」
「11月になって、寒くなって来たからなァ。
別に、付き合ってんだからよォ、
手ぐらい繋いでも良いだろうがよッ」