第82章 偶にはこんなデートでも… お相手:不死川実弥 現代パロ
俺が缶コーヒーを飲み終えて
キッチンのシンクで中を洗って
シンクの水切りの上に伏せて置いた頃に
丁度 準備が出来たと
みくりが荷物を持って戻って来て
一緒にアパートを出た
最寄りの駅までの道のりは
何も言わずに 不死川さんに
奪い取る様にキャリーバックを
追剥されてしまって
私のキャリーバックは不死川さんの手にあるが
不死川さんは自分の荷物を
最初からそうするつもりだったのか
キャリーバックにセットできる
折り畳みのボストンバックに
自分の荷物を用意してたから
自分が持つつもりだったのかもな
「何だァ?俺が男前過ぎて
惚れ直しでもしてたかァ?」
「してませんよ、もう、
不死川さんの事は、大好きですから」
そんな話をしながら歩ている内に
最寄りの駅について
目的地の池袋までは山手線で数駅だから
電車て10分少々の移動で
近場も近場だが
「でも、何で、急に?泊まりで都内旅行とか…」
「ああ、それかァ?たまたまCMで
じゃらんスペシャルウィークの、
CMしてたからよォ。
普通にデートすんならよォ、
そのまま泊っちまっても、
変わねぇわなぁって思っただけのこったぁ」
まぁ 旅行つっても
デートの延長みてぇなもんだァとは
不死川さんは照れくさそうに言ってたけど
この前のハロウィンも渋谷は
大賑わいだったみたいだし
全国的にも今年からイベント再開って所多いし
世の中の自粛ムードが薄れて来てるもんね
「でも、都内だけじゃなくてですね。
色んな所に、2人で一緒にあっちこっち、
行けたらいいなぁ~って思います」
そう何も珍しい物はない
いつも通勤でも見てる
電車の窓外の景色をみくりが見ていて
いつも見てる景色だけど
いつもよりも きらきらして見えるな
「すっかり、頭ん中
旅行気分になっちまってる所悪ィが。
あれの事、忘れちまったのかァ?」
そう言いながら ぴっとりと
不死川が後ろに張り付いて来て
グイっと腰を押し付けて来る
「んもぅ、不死川さんッ、腰ッ。
やっ…ん、そんな事してたらッ
痴漢と間違えられて、突き出されても
知りませんからね?私はッ」
「あぁ?別に勃ってねぇじゃねぇかよォ」
そうなってるからなってないからとかって
その部分が基準じゃないと思うんだけど
「んなら、勃てっかァ?」
「不死川さんのバカァ~」