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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第20章 惣菜屋さんと煉獄さん 中編 お相手:煉獄杏寿郎


ふぅっとみくりがため息を漏らして
自分の呼吸を整えると

ゆっくりと 静かに
トキに昨日の夜の事を説明した


「じゃあ、何かい?
あのアンタの旦那だった男は
アンタに、借金を負わせてどっかで、
若い女と、よろしくやってるって事かい?
しょうもない男だとは、思っちゃあいたが、
そこまでとはねぇ~。
でも、煉獄の坊ちゃんが
なんとかしてくれんだろ?」

「お金は、
何年掛かってでも返すつもり……っでも」


「アンタの言いたい事は、
言われなくてもだけどもねぇ?
けど、それでアンタが身を引かなくったって」


私は昨日の夜の事を説明しただけなのに
トキ叔母さんには私がそれで
どうするつもりで居るのかまで

全てお見通しの様だった


「それが、アンタの悪い癖さ。
アンタは我慢ばっかり、身を引くばっかり。
そんなんじゃ、幸せが逃げちまうよ?」

「幸せが…逃げる?」


トキが自分の手の平を上に向けて
まるでそこに何かが乗って居る様な

そんな仕草をして見せる


みくりが小首を傾げながらも

トキがしているようにして

自分の右手を上にして
手の平を広げてみる


そこには 何もない

当然だ
手を平げただけなのだから


その 何もない場所を
ホラと言いながら

トキが指を指して


「ホラ、こーこ。あるだろ?
アンタの手の上にだってさ。
幸せってもんはね、目には見えやしないさ。
でも確かに、ここにあって…ちゃんと
捕まえてやんないと、
すぐに逃げちまうのさ。コイツ等はね」


トキが見てる場所を見ても
みくりの目には何も見えない

「でも、…何も…」

「なくは、ないだろう?アンタが、あるものを
ない物にしようとしてるだけ…、違うかい?」


違わなく…ない

私は逃げようとしてた


そうなるのを 怖いと
そうなる前に 傷つくことを怖がって

逃げてしまうとしていた

目を逸らして 
なかった事にしようとしていたんだ
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