第81章 そうだ、和歌山へ行こう!後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
そう言い残してみくりは
足湯からすぐ近くにある売店に
温泉卵とタオルを買いに行ってしまって
平日の昼間だからか
足湯を利用している人の姿は無く
ただ待ってるのもと思って
適当な場所に腰を降ろすと
靴を脱いでその中に脱いだ靴下を入れて
足湯に入れる様に用意をしていると
白いフェイスタオルと温泉卵を持って
みくりが戻って来て
その手からそれを受け取ると
「杏寿郎。場所、ここでいいの?」
「ああ、ここなら海も良く見えるからな」
座って足湯に背を向けて準備をしていた
杏寿郎の隣にみくりが腰を降ろして
自分も足湯に入れる様に準備を始める
「ちょっと、肌寒い季節になって来たから
足湯で温まるのも良いかもね?」
「そうだな、準備出来たか?」
先に準備が出来た杏寿郎が
そうみくりに声を掛けて来て
「うん、出来たよ。足、入れよ入れよ」
そう言って ちゃぷっと
足先をお湯に入れると
「……――――っ、うぅ…ッ」
悶絶する様にして堪えながら見悶えていて
「どうした?」
「ちょっ、ここの足湯、熱いッいんですけど?」
杏寿郎が岩の上から流れ落ちて来て
足湯を満たしている源泉を指差して
源泉が来てる辺りから
湯気が絶え間なく上がっている
「それは、そうだろうな。あれがだって
73度で卵が茹でられる温度なんだろう?
源泉をダイレクトにじゃなくて、
段階的に数段の小さいプールに溜めながら
温度を調整してここには流してるが。
それでも、熱いだろうからな」
その足湯の温度をこっちに伝える様にして
みくりが杏寿郎の上着の裾を
ぎゅううっと握りしめながら
その温度に足が馴染むのを待っている様だが
「ふええぇ、熱いぃ~、杏寿郎も入ってえぇ。
そして、感じてぇえっ、一緒にぃいっ」
「はいはい、足湯に入る用意してるんだから、
俺も入るからな、足を入れれば良いんだろう?」
一緒にその温度を体験してくれと
促されて チャプッと足湯の中に足を浸けると
冬に風呂に入った時になる
肌を刺激して来るような刺す様な熱さが
自分の足に伝わって来るから
「こっ…、れは、想像以上に熱いな。
俺は風呂も、足湯も熱めがいいが、
ここのは今までの足湯で、一番熱いかもな」
「でしょ?歴代一位の温度だよ~。
身体も温まりそうではあるけどさ」