第81章 そうだ、和歌山へ行こう!後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
壁に斜めに設置されたレールに
ボールを置くと勝手にボールが
レールを上に昇って行くのを見て
壁沿いに設置されたソファに座ると
身体を押さえられたようになって
立ち上がりにくくなるソファがあって
「どうだ?座るか?みくり」
そのソファに座るかと
こちらに声を掛けて来て
人に座らせて置いて
なかなかそのソファから立ちあがれなくて
四苦八苦してる姿を見て笑っていたのだが
「もう、杏寿郎も。
さっきから笑ってないで、助けてってば!」
「ん?何だ?これ位で値を上げるのか?
みくり、君は少々
日頃の鍛錬が足りないんじゃないのか?」
そう言ってこっちを揶揄いながらも
杏寿郎が手を貸してくれて
その立ち上がれないソファから
引き起こされて立ち上がると
「あの頃みたいに言わないでってば」
そう言って今はあの頃の
鬼殺隊だった時とは違うと言うと
杏寿郎が遠い目をしているのが見えて
「そう言えば…、
平衡感覚を狂わせてくる鬼も居た…な」
そう独り言の様に呟いた
杏寿郎の憂いを帯びた表情が気になったが
「杏寿郎?」
「よし、行くか」
すぐにいつもの杏寿郎に戻っていたので
詮索は不要と言う事なのだろうけど
少し先を進んで居る
杏寿郎の背中を見ながら考えていると
「置いて行くぞ?」
ここでは重力と言う
普段からあるが存在を意識していない
エネルギーを体感して
学べるという事なのだろうけど
その先には壁沿いに台が設置されていて
普通にその台の上に立っているだけで
身体がかなり斜めになって居る
写真を撮れる場所があって
そこには記念撮影中に
小さい子が重力負けして倒れても
支えてくれる若い男性のスタッフさんが
常駐している様で
小さい子が落ちるぅ~と
きゃーきゃー言いながらも
お兄さんのスタッフに声を掛けられながら
その子供の親がその姿を写真に納めていて
「彼は一日中この斜めの部屋に居るのか?」
「そ、そうかも…」
普通に立っているだけでも
私は壁が呼んでるんだけどな
あのお兄さんの所だけ重力違うのかなと
思う程に普通に居るけどさあの人
でも 自分の隣の杏寿郎も
普通にこの部屋を
斜めじゃないみたいにしてるクセにと
言いたくもなるけども
『お二人も順番に、お写真如何ですか?
台、3段ありますので、ご一緒でも行けますよ』