第80章 そうだ、和歌山へ行こう! 中編 お相手煉獄杏寿郎 現パロ
アドベンチャーワールドを後にして
ルームミラーで後部座席を見ると
シートベルトを締めた
大きなパンダのぬいぐるみが2頭
後部座席で並んでいる
さっき みくりが
このパンダを自分の子の様にして
抱き締めていたのも
何となくに分かってしまう
自分が居るのは確かで
その後部座席から感じる存在感は
まるで俺を数年後の未来に
連れて行ってくれるかの様にも感じる
助手席には みくりが居て
後部座席には子供が2人いて
きっとそうなれば 車内は賑やかだろうな
とれとれヴィレッジに戻って来て
フロントで今夜泊まる部屋の鍵を受け取る
チェックインは昨日してるし
こっちは連泊なので
こんな風に部屋の鍵を受け取るだけでいい
自分達が泊る 発砲スチロールの
ドーム型の建物まで
石畳になった異国情緒のある
小道を手を繋いで歩く
「パンダを目指して置きながら、
ついつい、ライオンにでも
なってしまいそうな気分だがな」
それは 優しく紳士的な
自分では居られなさそうだと
そうこっちに言ってるんだろうけど
「きょ、杏寿郎は…、永明パパを
リスペクトしてるんじゃなかったの?」
「子沢山のパンダの父親を見習いたいからな。
なら、今から俺は、…これ以上ない位に、
優しく、紳士的に君を可愛がればいいんだな?」
そう 今夜の部屋のドアの前で
杏寿郎がこちらに確認を取って来て
「こ、これ以上ない位に
…優しく…して、くれるの?」
「奥さんのペースに合わせて、
ガツガツしないで、とにかく
優しいのが…あのパンダの
女性への流儀らしいからな」
ガチャとドアを鍵を差しこんで開くと
杏寿郎がドアを押さえていてくれて
中に入る様にこちらに恭しく促して来て
部屋の中にエスコートされて入ると
昨日と同じ様にベッドが2つ並んでいる
ツインルームの洋室なのだが
白良浜をイメージさせるような
鮮やかなブルーと 水色と 白の
コントラストの美しい部屋で
中に入ると ガチャと
ドアのチェーンを杏寿郎が掛けて
「みくり…、キス…してもいいか?」
「それは、いいけ…ど」
みくりの前に杏寿郎が
片膝を付いて座ると
エスコートするのに
杏寿郎の手の上に乗せていた
みくりの手の甲にキスを落として来て
そのまま 数度 手の甲にキスをされてしまう