第80章 そうだ、和歌山へ行こう! 中編 お相手煉獄杏寿郎 現パロ
「ああ、俺はそうしたいと思ったんだがな?
君はどう思う?みくり。
今日のアドベンチャーワールドの思い出は
俺と君との夫婦の思い出だが、
これから先は、家族の思い出を
自分達の記憶の中だけじゃなくて、
目に見える形にも残して行きたい…と思ってな」
杏寿郎が そのパンダのぬいぐるみを
こちらに向けて抱く様にして見せて来て
杏寿郎に抱かれてるそのパンダが
小さな子供の様に見えてしまって
「今度来る時は…、家族で…」
「どうだ?悪く無いと思わないか?
みくり。君はそう
俺と同じ様に思ってくれるだろうか?」
パンダのぬいぐるみの腕に
抱かせる様にして 小さめのパンダの
ぬいぐるみをみくりが持たせて来て
よしよしと愛おしむ様なそんな手つきで
俺が持っていた方の大きなパンダの
頭を撫でていたので
みくりの目には俺の腕にある
このパンダのぬいぐるみが
今はまだ見ぬ 子供の様に
見えているのかも知れないが
「うん、杏寿郎…、そうだね。
それがいいと思うよ、私も。そうしたい」
杏寿郎と今は夫婦だけど
子供が出来て家族として
思い出を沢山 作りたいなって
「みくり」
杏寿郎が 自分が持っていた
そのパンダのぬいぐるみを
みくりの腕に抱かせて来て
受け取ったそのパンダを
思わず無意識の内に我が子を
抱く様にして受け取ってしまっていて
ぎゅ…と みくりが
杏寿郎の服の裾を
そのパンダを抱きながら掴んで来て
「ねぇ、杏寿郎…、今日は
この子達、2頭を連れて帰るでしょう?
その……ね、このパンダの夫婦にも
早く、赤ちゃんが出来たらいいなぁって…
だから…ね?その…ッ」
杏寿郎の服の裾を掴んでいた手を
ぎゅっと杏寿郎に握られてしまって
「そうだな、パンダの夫婦にも
早めに子供が出来るといいな?
みくり、君もそう思うだろう?」
こっちが含ませて言った意味合いを
杏寿郎が理解してくれた様で
そう握った手を掴んで
腰を身体に引き寄せられてしまって
「なら、みくり。
会計を済ませたら、あっち…に
寄り道しないで真っすぐ戻るだろう?
奥さんからの、貴重な折角のお誘いだからな」
そう甘い熱を帯びた声で
杏寿郎が耳元で囁いて来て
杏寿郎のその言葉にコクリと
自分の首を縦に振った