第80章 そうだ、和歌山へ行こう! 中編 お相手煉獄杏寿郎 現パロ
そう みくりに対して言って来て
「だったら、杏寿郎は。
子沢山の永明パパさんに、
肖って見習いたいって事?」
「なっ、何を言ってるんだ?
俺は、いつだって、紳士的で優しいだろう?」
何を言ってるんだと言いたげな
冷たい視線を 自分の妻に
向けられて居るのは気のせいだろうか?
「付き合い始めの頃は、
そうだったかもねぇ~、
あの頃は、杏寿郎もこっちに対して
遠慮があった感じがするけどなぁ~」
「いや、そのだな、あの頃はあれだ。
君が、篠田と交際して居て…、
そう言う相手はもう作らないと
俺が告白した時に言ってたからだな。
男性不信…と言うか、その行為その物に
コンプレックスみたいな
一種の嫌悪感を抱いてるのかとばかり…」
そう杏寿郎があの時の大学時代に
付き合い始めたばかりの頃に
草食系なのか?とこっちが疑いたくなる程に
求めて来なかった辺りの事をそう話して来て
「そっ、それは。そんな感情が。
無かったと言えばウソになるけど…。
どこにも自分の居場所が無い様な、
そんな疎外感ばっかり感じてたからさ。
あの頃の私はね?でも、杏寿郎の事だったら、
信じてもいいのかなって。
私が何度断わっても、しつこい程、
私に告白してくれたでしょ?あの頃にさ」
そう言いながら
みくりが杏寿郎の数歩前を歩いて
杏寿郎の前に出ると その場で足を止め
杏寿郎の方へは視線を向けずに俯く
「君の事は、割と入学してすぐから
いいなとは思ってたんだが、君には
交際してる相手がいると言うのも、
俺は、聞いて知ってたからな。
宇髄先輩に相談しても、だったらさ
略奪すればいいじゃんとかって
そんな返事しかくれないし、
俺は俺で悩んでたんだぞ?」
「でも、あの頃の杏寿郎
女の子に囲まれてて随分と
当時も、モテモテだった気がするけど?」
バーベキューのイベントで
見かける杏寿郎はいつも
人の輪の中心に居る様なイメージで
いつも女の子数人が杏寿郎の事を
狙ってるんだろうなぁって感じもしてたけど
あの当時の私は奏さんの事しか
見えて無かったし
奏さんが居なくなった後は
ずっと表向きは篠田の女の
ひとりみたいになってたもんな
篠田が付けた 監視役の所為で
私がイケメンばっかりを
とっかえひっかえしてるって噂が
大学内で流れてて
ひそひそと囁く声が怖かった