第80章 そうだ、和歌山へ行こう! 中編 お相手煉獄杏寿郎 現パロ
スッと腰から手が離れて
グイっと身体を引き寄せられて
杏寿郎の身体に
こちらの身体を持たれ掛けさせて来て
そのまま 杏寿郎の
匂いと体温に自分の身体を預ける
「惜しいとも思わなくもないが、
大きな声でこんな所で喘がせてもダメだからな。
どうだ、みくり。身体は温まったか?」
「どんな暖の取らせ方っ??もうやだぁ、
そんな事、してって頼んでないもんッ」
「いや、そんなつもりで
俺はそうしたんじゃないぞ?みくり。
ちょっと、腰に手を添えただけで、
奥さんが反応して身体を跳ねさせるからだな。
ついつい、もっと君を可愛がりたい気持ちが
抑えられない感じになっただけだ」
「後で…にして…欲しいしッ、今は
一緒にイルカショー観るんでしょ?」
ラグーン全体に配置された
スピーカーからはアドベンチャーワールドの
お馴染みのあのCМソングが流れて来て
いつのまにか 座席もそれなりに埋まって居たから
園内にショーがもうすぐ始まると
放送が入って
その後からぞろぞろとショー目当ての
客が押し寄せて来て
開演の時間には あんなに空いていた座席も
結構埋まって来ていた
さっきの俺の悪ふざけの所為で
ショーが始まるまで
何か言いたそうな顔をして
睨むに近い視線をこちらに向けて居たが
「あ、そろそろ、ショー始まるみたいだな」
ごそごそとみくりが
ショーが始まるタイミングで
自分のバックからティッシュを出して
ぎゅっとそれを握りしめているから
「ねぇ、杏寿郎、何で他の人泣かないの?」
周囲の人がコミカルなシーンで笑って居たり
ダイナミックな音楽に合わせたジャンプに
感動の歓声を上げている中で
ぐずぐずと鼻を鳴らしながら一人
ティッシュで目元を押さえながら不満そうにしていて
「昔、お母さんがそれだったの
みんな笑ってるのに、何でなの~って
自分の親に聞いたりしてたんだけどさぁ。
大人になったらさ、自分が泣いてるぅ~」
「それは感動的な内容だからなのか?」
「違うのっ、妄想が止まらないんだよ。
イルカ達のさジャンプのタイミングが
合わなくて何度も練習してさぁ?
あのトレーナーのお姉さんが
自分の限界にさ、落ち込んだりするのッ
この仕事、向いて無いのかな私とかってね?
プールサイドで項垂れてる訳よ」
どこからそんな話が産まれて来たのかと