第80章 そうだ、和歌山へ行こう! 中編 お相手煉獄杏寿郎 現パロ
自分の膝の上に置いていた
パンダの形の
ポップコーンバスケットの口を
杏寿郎に引っ付けて来て
「あのなぁ、みくり。
俺は、パンダじゃなくてだな。
君とキスがしたいって言ってるんだぞ?」
「んっ、そんな事、知ってるよ」
そのポップコーンバスケットで
前から口元が見えない様にして
ちぅ…と頬にみくりがキスをして来て
みくりの手からそのパンダを奪い取ると
頬にくっつく位にそれを近付けて来て
「そうじゃないだろう?奥さん…」
触れていた時間は一瞬だったけど
後ろからも見えない様に
腕を上げて上着の陰にして
前からも後ろからも見えない様にしてたけど
後ろから見た人が居たら バレるのに…ッ
ニヤニヤとしてやったりな笑顔を
杏寿郎が浮かべていて
「旅の恥は搔き捨てだろう?奥さん」
「もぅ、…ダメに決まってるじゃん…か、
旦那さんのばかぁ~、変態ぃ~」
「どうして、変態扱いになるんだ?
不本意なんだが?さっきのキスは
至って健全なキスだっただろう?」
むぅっとみくりが口を尖らせると
「キスの種類が問題じゃなくてッ、
ここって場所が問題なんだよッ!」
思わず声を張り上げてしまって居て
杏寿郎に口を塞がれて
しぃーっと静かにする様に言われる
「なら、周囲にバレなかったらいいんだろう?」
話を聞いていたのか居ないのか
そんな事を言い出して来て
嫌な予感がすると思ってたら
腰に手を回して来て スリスリと撫でられる
グッと手の平を押し当てて押し付けて来て
そのまま圧を掛けて来る
じわじわとそこから熱が仙骨に伝わると
甘い痺れがそこから湧いて来る
「ちょ、腰…はっ、ダメって言ってるのにッ」
身体の力抜けちゃうし 声が出そうになる
彼の手をそこから引き剥がしたいのに
「前の方のカップルも、腰に手当ててるぞ?」
自分達の斜め前のカップルも
男性が女性の腰に手を当てて抱いているが
問題はそこじゃなくて
仙骨に沿う様に手を縦にして添えて来て
指先で尾骨の先端を押しながら
仙骨に圧と熱を送られて揺すられる
ブルっとこんな場所で
服の上から腰を触られてるだけで
気持ち良くなってしまっていて
恥ずかしいと思うし声を漏らしてしまいそうで
「やっ…めて、声…っ、
出ちゃ…いそうになっちゃうからっ。
許して……っ、杏寿…郎」