第80章 そうだ、和歌山へ行こう! 中編 お相手煉獄杏寿郎 現パロ
「ああっ!!見てッ、見て!!
あそこ、あそこの売店ッ」
「ああ、あのパンダのバケツか。
買って行くか?みくり。
イルカショー観ながら食べるだろう?」
「そうだね、じゃあポップコーンと
飲み物も買って行こうよ」
売店でパンダのポップコーンバケツに入った
キャラメルポップコーンを
ドリンクと一緒に購入して
イルカショーのプールに着いたのだが
その場所で止まったままで
みくりが固まっていて
「………みくり、どうした?
そんな所で立ち尽くして、まだ
始まるまで時間があるが。
そこに居たら、邪魔になるぞ?」
一番上からその客席を見ると
全体を見渡してもかなりの数だ
あちこちでイルカのショーは観たけど
こんなに大きな 規模のショープールと
座席の数がある場所は見た事無いし
それに後ろにある大きなモニターも
今まで見た中では最大級な気がする
平日だし ショーの時間までは余裕があるので
ショーを待っている人の人影もまばらだ
「さぁ、好きな席を選べるぞ!
ギリギリ濡れない前の中央に座ろう」
夏だったら濡れる席座りたいタイプだもんな
私はショーの全体が観たいから
前の方よりは後ろの方寄りが好きだけどな
とは言っても 前方の中央寄りから
座席が埋まって行くのは確かだから
「楽しみだね、イルカショー」
杏寿郎の希望の場所に座って
ショーが始まるのを待ちながら
杏寿郎がさっき買った
ホットドックを食べていて
私は私でさっき買った
パンダのバケツに入った
キャラメルポップコーンを食べながら
ショーが始まるのを待っていた
「じっとしていると、少し肌寒いな」
杏寿郎がそう言うとごそごそと
鞄の中から前に中条市に行った時に
入れたままになっていた
ポケッタブルのウインドブレーカーを
中から取り出して広げると
みくりの膝の上に掛けて来て
「杏寿郎、ありがとう」
「身体を冷やすといけないからな。
それに、こうすると温かいだろう」
「うん、温かいね。杏寿郎」
周囲に誰も居ないのと
少し肌寒いのを理由にして
杏寿郎がみくりの身体に
腕を回して来てグッと身体を
彼の身体に引き寄せられる
「誰も居ないなら、
キスの一つでもしたい所だがな」
そう言って杏寿郎がフッと笑うから
みくりがふふふと笑うと