第20章 惣菜屋さんと煉獄さん 中編 お相手:煉獄杏寿郎
私の胸が締め付けられている原因は
彼を巻き込んでしまう事になり
申し訳ないと言う
罪悪感にもにた感情と……
それだけではない……心情で
彼が 煉獄さんが
それを承知の上でそうしたいと
望んでくれているのかと思うと……
私 なんかの為に……
そう 思うと
いたたまれない 気持ちになってくる
「私事で…、申し訳が無いのですが……」
そう 切り出して
事の次第を彼に説明した
店の軒先に置いている
竹で出来た長椅子に
2人で並んで腰を掛けて
腕組みをして
私の話を頷きながら
聞いていた煉獄さんは
私が話を終えると
「みくりさん。
ありがとうと、言ってもいいだろうか?」
「え?どうして…」
何故 お礼を言われたのか
意味がわからずに
目を丸くさせてしまいつつも
自分の隣にいる
彼の顔を見た
「俺にそれを、話して頂けた。
その事に対する礼です。その件に関して、
結論から申し上げるとするのであれば、
貴方はそれを気になされる、必要はない。
些末な問題だ。ここは一つ、
俺に任せては頂けないでしょうか?」
どう考えても
些末な問題ではないと思うのだが
俺に任せて欲しいと言うくらいなのだから
煉獄さんには
何かお考えがあるのだろうが
彼の表情を見る限り
彼がそれを気にしている様子はなく
むしろ清々しい表情をしていて
「ええ?あのっ、でも、しかし…あんな、
お話をしておいて、あれなのですが……」
「でしたら…何か、
解決する手立てをお持ちで?」
その問いかけに対して
いいえとみくりは首を横に振った
「なら、決まりだ。
この話はこれで終いにしましょう、
もう今日は夜も更けた」
そう言って 煉獄さんが
竹の長椅子から立ち上がった
「え?でも、煉獄さん……」
「気になってしまうだろうか?」
「そ、そりゃあ、気にもなりますよ…。
だって、250万なんて大金……、
どうにかして頂く訳には……」